■第八回 河童堀
牙と姓 くれて 河童の恩返し
北山に行くところに、深くなって、大きくえぐられている、河童堀という堀があります。そこのお話。
むかしむかし、堀の近くに、いたずらばかりしている河童がいました。その河童が、ついに捕まえられて殺されそうになったところを、近くの家の住人が助けてあげました。すると、河童がそのお礼にと、宝物にしていた「竜の牙」と「吉田」という姓を住人に贈ったそうです。
それからは、その堀を河童堀と呼ぶようになりました。河童から吉田の姓をもらった家は、二十代以上も続いているのだから、これはとても昔の話です。
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