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歴まちさんぽ~千年の歴史を未来へ~Vol.78

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福島県国見町

国見町は、千年以上育まれてきた国見の歴史・伝統・文化をこれから百年後に伝えていくため、これらを生かした「歴史まちづくり」を進めています。このコーナーでは町や地域が行っている取り組みについて、毎月お伝えしています。

■これからの文化財の維持管理、活用について
▽国見町の指定文化財について
町には40件の指定文化財があります。どれも国見町で綿々と受け継がれてきた「町のたからもの」であることは間違いありません。
町では、歴史まちづくり計画の認定により、「歴史を活かしたまちづくり」を政策の大きな柱と位置付け、その後歴史文化基本構想でも、歴史・風土・生業・資源・信仰などそれぞれの関連文化財群の保存や活用について方針を定めています。
しかし、文化財を考える上での大きな課題の一つとして、これらをどのようにまちづくりに活かし、どのような形で後世の人々に町の歴史遺産を残していくのか、それらを考えなければなりません。

▽私たちの「地域らしさ」(アイデンティティ)をどう魅せるか
歴史的遺産は、その地域に住む人々にとっては、故郷を形成する重要な要素であり、自分たちが住む町の「地域らしさ」(アイデンティティ)の源となります。
よって文化財をまちづくりに生かしていくということは、故郷の魅力をいかに活用し、発信するかを考えなくてはいけません。
国史跡「阿津賀志山防塁」は、町を代表する文化財です。しかし意義深いこの史跡も、華やかな城郭や美しい町並みなどと比べれば、魅力や集客力に限界があることは否めません。文化財を郷土の誇りとして、町民に受け入れてもらうためにはどのようなことが必要なのか、またどうしたら集客を図ることができるのか、この課題の答えを見つけることは容易なことではありません。

▽阿津賀志山防塁と中尊寺ハス
しかし、この課題解決の一つのヒントとなったのが、平成21年に「中尊寺ハス」が、平泉町から「阿津賀志山防塁下二重堀地区」の近くに株分けされたことです。
古来から交通の要衝であるため古戦場となった国見町の「地域らしさ」である「阿津賀志山防塁」と全国的なネームバリューをもつ奥州藤原氏が「中尊寺ハス」という物語とともに、平泉町からもたらされ、双方の歴史的遺産が、上手くマッチし成功した事例です。もちろんハス育成にかけた地域の方の尽力があったことは言うまでもありません。
今では、この地区は年間1万人近くが訪れる町を代表する観光地に変わりました。町では、引き続き地域の皆さまと連携し、歴史的遺産が持つ「チカラ」をさまざまな手法によって引き出すことに取り組んでいきます。

問合せ:
企画調整課地域振興係【電話】585-2967
あつかし歴史館【電話】585-4520

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