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国見の民話かるた第十八回

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福島県国見町

■高城(たかき)の大力(だいりき)
「力持ち はしごで稲背負う 高城のごうけつ」

少し昔、この辺りには伝説的な力持ちが何人かいたようで、この読み札の力持ちもその一人。「やっしょう様」と呼ばれた人で、大変な力持ち。
稲束を田から運ぶのに少しずつでは面倒と、はしごにゆさゆさ付けて運んだということで、馬もかなわなかったそうです。その代わり、この人は大食漢で、梁川から大木戸に歩いて来るうちに、乾ニシン百本をペロリと平らげてしまったと伝えられています。
また、幕末のころ、藤田に鹿島灘という田舎関取がいて、この人も大変な力持ち。ある時、保原の仙林寺に行った折、境内にあった熊坂適山の碑を持ち上げられたら、この碑をやろう、と言われたそうです。まさか持ち上げられまいとたかをくくって言ったのでしょうが、鹿島灘は見事に碑を持ち上げました。現在、藤田・鹿島神社の東にある碑がそれで、保原では残念がったそうですが、後の祭り、台座だけが仙林寺の境内に残っているそうです。
※熊坂適山…有名な幕末の南画家

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