■青年
ひょんな所で、これまで何度か言葉を交わしたことのある青年から「お話がしたいのですが、役場を訪ねてもいいですか」と声を掛けられる。日時を連絡すると、ニコニコ顔でやって来る。そんな彼を見て、「お、先日より髪の色が落ち着いた気がする」と思う。
この春、大学を卒業して就職すること。就職先は子どものころから好きだった職種で、近いうちに勤務先が決まること。今も町のクラブに所属して大好きな運動を続けていることを話してくれる。
彼の言葉に耳を傾けてると、自分の目標や夢を一つずつ叶えてきた気がする。伸び伸びしてて、ちっとも臆する気配はない。特に面白いと思ったのは、彼が「政治に興味があります」と言ったこと。こうもはっきり言う青年は初めて。かえって突き抜け感があっていい。清々しい。そして思い出す。そういえば彼、引地が町職員のころ、坊主頭で議会傍聴に来てたっけと。あのときの伏線をここで回収、繋がる。町と議会、町長と議員の仕事、被選挙権の年齢なども話して帰って行く。
彼の年代の町の投票率は決して高くはない。国、自治体いずれの選挙も直近は30%台。そんな中、政治に興味があるという青年がいること、これは素直にうれしい。
彼が年齢を重ね、人としての経験を積み、やがて政治に身を置く決心をしたとき、この町が他の自治体の手本になっているよう努めようと思う。
引地真
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