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町長コラム 真(ま)こらむ第35回

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福島県国見町

■刹那と永遠
徳江昇さんが代表を務める写団「北斗」と県内外の写真愛好者の合同写真展。
「北斗」の作品たちは、四季折々の鎌倉。国ごとに異なる音や言葉、太陽の光の強弱を感じさせる東欧、西欧、中東。須賀川・牡丹園の紅葉。猪苗代の霧氷と桜。そして里山の秋の渓流、川面や湖面に浮かぶ桜の花びら…。
また、県内外の写真愛好者たちの作品は、自然や人、鳥などを被写体に、思いもよらない発想にハッとさせられたり、「どうしたらこんな写真が撮れるの?」と足が止まったり、幻想的だったり、軽妙だったり、思索的だったりとさまざま。
誰かにお願いされたわけではない、写す人の自由さと感性、人間性がはっきりと印画紙に焼き付けられている。シャッターを押す決断をしたときの彼らの気持ちに同調したとき、感動と感嘆が生まれるのかも。
徳江さんの作品は、カメラのレンズ越しに、誰にも止められない、二度と戻せない時の流れの刹那を切り取り、永遠にしようと奮闘している気がした。そして何より、苔むす岩と清流、滝、紅葉、花筏は、しっとりした趣き、日本の湿度、木々の匂い、自然の音を感じた。写真は詳しくないし、全くわからないけれど、作品からこういったことを感じたのは初めて。
作品を巡っていると、会場のあちらこちらで作品を前に談笑したり、作品の説明を熱心に聞いたりしている人たちの輪ができている。それを聞いていないふりして、実は耳をダンボにして聞いたりして、「へぇ、そうなの?なるほどね」と思う、非日常のひとときでした。
引地真

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