今年で32回目を迎える、冬の風物詩「あつかし山ビッグツリー」
冬の夜空に浮かび上がる幻想的な光のツリーは、毎年多くの人々を魅了しています。その煌びやかな光は、年の瀬を知らせるとともに、来る年が町民の皆さまにとって良い年になるよう願いが込められています。
長年親しまれてきた「あつかし山ビッグツリー」を裏側で支える人たちを追いかけ、汗を流す姿と思いに迫りました。
■あつかし山ビッグツリーができるまで
▽先輩の背中を見て育んだ町づくりへの思い、次の世代にも―
国見町土木建設業協会会長 近久寿幸(としゆき)さん
あつかし山ビッグツリーは、町内の建設会社8社で構成される国見町土木建設業協会が中心となって設営をしています。
このイベントは、町内の有志の方々が町を盛り上げたいという思いから32年前に始まりました。その後、町の事業として引き継がれ、現在、町と当協会をはじめとする町内企業が協力して取り組んでいます。
現在は遠隔操作で点灯していますが、昔は手動でしたので、毎日阿津賀志山に登り、電源を入れては消灯の時刻になるまで、設置したプレハブ小屋で待機していました。大晦日は翌朝まで点灯しているので、プレハブ小屋で先輩方と一緒に宴会をしながら年を越したこともありました。
その時に、先輩方からビッグツリーの歴史や町づくりへの思いを教えていただきました。
このビッグツリーには、町の発展と来る年が町民の皆さまにとって良い年になるよう願いが込められています。
現在、展望台の老朽化や職人たちの高齢化などの課題がありますが、脈々と受け継がれた思いを途絶えさせないように、そして、次の世代にバトンを渡せるように、体が動く限り、携わっていきたいと思います。
▽地域を盛り上げたい、子どもたちを笑顔にしたい―
国見町商工会青年部部長 齋藤良也(よしや)さん
国見町商工会青年部は、45歳以下の商工会会員で構成され、現在は23名が所属しています。同世代の経営者仲間と交流しながら、さまざまな地域貢献活動に取り組んでいます。
その活動のひとつとして、あつかし山ビッグツリー点灯式に来てくれた子どもたちにクリスマスプレゼントを渡しています。この活動は、東日本大震災以降から続けていて、コロナ禍前は、おでんやそばなどを提供したこともありました。その時の状況や時代に合わせて、形を変えながら続けています。
この活動は、日ごろ支えてくれている地域の方々への感謝の気持ちと、「生まれ育った町を盛り上げたい、子どもたちを笑顔にしたい」という思いがあります。私たちの活動で町民の皆さんの心が温まり、小さな幸せを感じてもらえたらうれしいです。
ビッグツリーがある限り、この活動を続けていきたいと思いますし、町民の皆さんが喜んでもらえるような地域活動にこれからも取り組んでいきたいです。
・あつかし山ビッグツリー点灯式(R6.12.22)
■Voice
▽澄んだ夜空が鮮やかでキレイ
阿部由香莉(ゆかり)さん 悠人(ゆうと)さん
冬の透き通った夜空とキラキラ光るビッグツリーがとてもキレイで、毎年楽しみにしています。今年の打上花火は吹雪でキレイに見れなかったですけど、冬の打上花火は珍しいので、毎年子どもと一緒に楽しんでいます。
▽冬の風物詩、毎年楽しみに
髙橋政哉(まさや)さん・美晴(みはる)さん
髙橋有香(ゆか)さん・美空(みそら)さん
ビッグツリーの点灯の瞬間と打上花火を楽しみに、毎年家族で会場に来ています。ビッグツリーが点灯すると、冬が来たと感じます。子どもたちもサンタさんからのプレゼントに喜んでいます。これからもずっと続けてほしいです。
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