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国見の民話かるた第二十三回/猫のしかえし

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福島県国見町

■猫打つな 死んでたたるぞ いつまでも

昔、阿武隈川をはさんで仲の良い女性同士がいて、年に一度、お互いの家を訪ね合っていた。
ある年、川向こうの友達を訪ねると、友達は大喜びで魚をご馳走しようと支度を始めた。すると、その家の猫が準備した魚をあっという間に食べてしまい、客の女性は思わず、力一杯にその猫を叩いてしまった。すると、猫は「よくもおれのことを叩いたな、帰りに喰い殺してやる」と客の女性が帰るのを待っていた。
客の女性はなかなか帰らないので、猫はひと休みしていたら、いつの間にか客の女性がいなくなり、猫は急いで、客の女性が乗る舟に飛び乗ろうとしたが、乗り損ねて溺れてしまった…。
次の年、客の女性が再び友達を訪ねると、どじょう汁を準備してくれた。だが、そのどじょう汁は煮ても煮ても泡が立つ。客の女性は不気味がって食べなかった。次の年は竹の子を煮たが、これも泡が立ち、客の女性は食べなかった。
ある日、客の女性は巫女さんに拝んでもらうと、あの時叩いた猫の霊が出てきた。猫は「お前を殺そうと、どじょう汁と竹の子に化けたのに…」と言い放ち悔しがっていた。その後、猫を供養して、客の女性は命拾いした。

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