■公立藤田総合病院院長 近藤祐一郎先生
3月になり、春の足音が聞こえてくる季節となりました。卒業、進学、就職など、人生が大きく変化する時期です。インフルエンザの流行はピークを過ぎ、コロナ感染症は小康状態のようです。
毎年春になると花粉症が話題となります。花粉症は、スギやヒノキ等の花粉が原因となって起こるアレルギー性疾患です。花粉が鼻や目に入ると、免疫系が過剰に反応して、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などの症状が出ます。仕事や勉強に差し障りが出て困りますね。日本では約3000万人が罹患していると推定されています。今年の花粉飛散量は例年に比べると全国的に多い予測です。東北地方南部では2月末から飛散が始まり、福島県は昨年に比して2倍になると報告されています。
対策としては、マスク、眼鏡の使用、規則正しい生活(アルコールは控える)、帰宅後のうがいと洗顔、家に花粉を持ち込まない工夫、窓を開けるときはレースのカーテンを閉める、部屋の掃除などがあります。花粉症の薬は、症状が出る前や花粉が飛散する2週間前から飲み始めるのが良いでしょう。抗ヒスタミン剤には、第1世代と第2世代があり、後者が副作用(眠気、口渇など)が少なくお勧めです。医療機関や薬局でご相談ください。私も、20年前に花粉症となり、時々薬にお世話になっています。花粉症は仕事の能率を下げ、生活の質が低下しますので、しっかり対策をしましょう。
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