箱﨑美義 著
訂正:前月4月(第711号)に掲載の写真ナノハナは、間違いでブロッコリーが正しい写真です。訂正してお詫びいたします。
■(1)つづき
ゆでて酢の物、ひたし物にしたり、からしあえなどのあえ物、天ぷらなどに使う。スライス(うす切り)して生(なま)のままサラダなどにしては、いかがか。また、ゆでてソースをかけたり、サラダやグラタンに入れる。チーズ焼きやフリッター(揚げ物料理)にしたり、ハムやベーコン、にんにくなどと炒めたりする。下ゆで、油通しして炒め物うま煮に、色と形を生かして、つけ合わせに使うとよい。ブロッコリーは、カロテンの多い有色、緑黄野菜だ。ビタミンCが特に多く、いちごの2倍、みかんの4倍も含み、ブロッコリーを2房~3房食べると一日の必要なビタミンCがとれる。他に鉄分やカルシウム、リンなども他の野菜と、けた違いに多く、貧血予防にもよい。以下にブロッコリーの栄養成分をあげてみた。生(なま)の花蕾100g当たりエネルギー33kcal、たんぱく質4.3g、脂質0.6g、炭水化物5.2g、カリウム360mg、カルシウム38mg、鉄1.0mg、カロテン810mg、ビタミンC120mgなどである。
■さくら(桜)
世の中は三日見ぬ間に桜かな 蓼太
さくらさくら残りの夢は風呂敷に 中ヤスヱ
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 八田知紀
◇さくらの生まれ育ち
わが国で、さくらと言う言葉を初めて使われたのは、今から1300年前、今世紀700年代、奈良時代以前の古事記である。この、さくらには、よく知られた、やまざくらやひがんざくらなどの自生種、野生種や、これらの交配で生れ育った、いわゆる園芸種などが世界に200種以上ある。さくらの呼び名は、これら、さくら類の全体に対しての名である。単に、さくらという呼び名のさくら花は存在していない。この、さくら類は、中国やヒマラヤ地方に1種あるだけで、さくら花のほとんどは日本に生育しており、まさに日本が原産国となっている。
◇さくらの本名、別な呼び名の由来
さくらの本名は、さくら(桜)である。別な呼び名は、この花、かざし草、吉野草、曙草、あだな草、夢見草などがある。別な呼び名などは日本神話時代以後の歌にでてくる、さくらにまつわる言葉から生まれた呼び名であると考えられる。
※「吉野草」の「吉」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>