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町の昔話コーナー

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福島県新地町

■大ムカデと赤マムシの戦い(中編)
3mはあろうかという大ムカデの一族から住処(すみか)であった北原山を寄越せと迫られた赤マムシの一族。普通に戦っても勝てない勝負に策を講じます。その策とはいかに。

赤マムシの大将は、悩んで色々と考えた挙句にねずみに助けを求めることにしたと。
「ねずみ殿。実はこういうわけで松茸山の大ムカデと戦いをすっ事になってしまった。ついてはおめぇに頼みがある。ムカデの草鞋(わらじ)を一足盗んできてけろ。」
と頼んだと。すると
「何を抜かす赤マムシ。酒ばっかり喰らって赤ぇ顔をして。自分の都合のいい話ばかり言うんでねぇ。常日頃、俺達が精出して産んだこっこを片っ端から食うのは誰だ。お前達だべ。お陰で俺達のこっこはさっぱり増えねぇでねぇが。自分達が困ったからと言って、どの面下げて頼みさ来た。」
ネズミにけんもほろろの返事で断らっちゃと。
困っちまった赤マムシは、次に小在家(こざいけ)のイタチさ頼みに行ったと。
ほだどもイタチもまた
「なに抜かす。お前達は雪や雨が降った時、ちょこっと巣穴を使わせてもらうかと思うと『金出せ』だの『自分で穴を掘れ』だのって言うべ。俺達は巣穴に入れねぇもんだからしょっちゅうキツネや狼に狙われてひどい思いをしてんだ。『助けでけろ』なんで良く言われるもんだした。断る。」
と断りの返事だったと。
「イタチ殿。ほいずは悪かったなや。今までのことは水に流してけろ。これからは巣穴は自由に使っても良い事にすっから。ほだから頼む。大ムカデの草鞋を一足盗んできてけろ。この通りだ。」
赤マムシは地面に何度も頭をこすりつけて頼んだと。
イタチも考えた。
「ここから松茸山まではすぐそこだ。ほんの一走りだ。草鞋一足盗むぐらいイタチにとっては朝飯前だべ。ほんな簡単なことで、これから先、ずっと巣穴を自由に使えるのなら、そいずも悪くねぇなぁ」
とイタチは承知したと。

今までの自分達の行いからなかなか頼みごとを聞いてもらえなかった赤マムシの大将。ついにイタチの協力を得ることができたようです。次回、いよいよ決戦。

新地語ってみっ会では、語り部による昔話や紙芝居など毎月第3土曜日13時30分から二羽渡神社南、おがわ観海堂(小野俊雄宅離れ)にて参加費無料で、公開しています。興味のある方はぜひご参加ください。

問い合わせ:教育総務課
【電話】62-4477

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