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町の昔話コーナー

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福島県新地町

■狐の化け比べ(前編)
昔々新地にも狐がいっぺぇ居て、人を化かしては油揚げや魚を盗んだり、風呂だっつっては、村人を肥(こえ)溜(だ)めに入れたりして、いたずらしたもんだと。ある時、福田の山崎の狐と台山の狐が「山崎の狐よりも台山の狐の方が化けるのがうまい。」「いや、台山の狐の方がうまい。」
と言い争いになったと。
「ほんではどっちがうまく化けられっか競争すっぺ。」
ということで台山の狐から山崎の狐に「いついつか、化けでみせっから台山さ来てけろ。」
と手紙が届いたと。
台山の狐たち、一族の中から特別化け方が上手な狐を二十匹ばかり選んでな、それぞれが葉っぱを頭に載せてくるりと回ったっけが、一匹は美しい嫁様に、一匹は婿様になったと。他の狐も、仲人様やら、長持ち担ぎやら、提灯持ちやらに化けて、長持ち歌なんぞ歌いながら、台山から山崎までしずしずと花嫁行列して見せたと。
まずその嫁様の美しいこと。婿様の立派なこと。その後に続く行列の見事なこと。福田の人たち「どこの息子がどっかから嫁様もらったんだべ。」
って、たまげてみていたったと。
それを山の上から見物していた山崎の狐たち「よぉしっ!俺たちも負げてらんねぇ。」
と奮い立ったと。
そして今度は山崎の狐から台山の狐に「今度は俺たちが化けてみせっから、いついつか山崎さ来てけろ。」
と手紙が届いたと。
化けていたずらばかりして村人を困らせていた台山と山崎の狐たち。台山の狐たちは見事に結婚式の行列に化けてみせました。山崎の狐たちは何に化けるのでしょうか。次号に続きます。

新地語ってみっ会では、語り部による昔話や紙芝居など毎月第3土曜日13時30分から二羽渡神社南、おがわ観海堂(小野俊雄宅離れ)にて参加費無料で、公開しています。興味のある方はぜひご参加ください。

問い合わせ:教育総務課
【電話】62-4477

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