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昭和村史料探訪記 vol.47

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福島県昭和村

地域おこし協力隊 松尾 悠亮

◆小中津川名主家文書の紹介(3)明治時代の北海道移住資料(弐)
9月に引き続き明治時代に小中津川から北海道へ移住した栗城小太郎に関する史料を御紹介します。

3.「開墾ノ情状ヲ列挙シタル軍歌ノマネ」(後半)
明治39年(1906)、小中津川から北海道に移住しサロベツ原野を開拓した栗城小太郎の手紙です。先月は移住先の苦労が書かれた前半部分を紹介しました。今月は未来の生活の希望が書かれた後半部分を御紹介します。七五調を楽しめるので、後半部分も是非音読してみてください。
サレト熟(ツラク)ラ考ヘテ/近キ未来ヲ思ナバ、喜(ヨロコブ)事モアルナラン、何カト言ハ他ニアラズ/開キシ土地ノ一戸分、其反別ハ五町歩ヲ、其レヨリ取得雑穀ハ/仮リニ一反一石ト、積リテ見レバ五十石、一石五円ト仮定セバ、代価ハ二百五十円、土地ノ価格ハ何程ゾ、千円乃至二千円/慥カニ前(サキ)ハ見ユルモノ、艱難困苦忍堪ト、自分法度ノ辛抱ハ/自然ノ勤勉貯蓄、是ハ一戸ノ計算テ、此ウエ二戸ヤ三戸分/成墾シタル暁(アカツキ)ハ、長者ノ暮シト諺(コトワサ)ニ、唱ヘテハヂヌ財政ノ/豊ケキ秋モアルナラン、居宅ハ奇麗ニ新築シ、日用什器モ新ラシク/カラダニ錦ヲ着飾リテ、珍膳美味ヲ飲食シ、三府五港ヲ始メトシ/外国マンユウ随意ナリ、是等ハ個人ノ楽ミテ、又此上ノ快楽ハ/北海道ニテ有名ナ、天塩国ノ一部分、一ト目ニ余ル荒蕪地ノ/其面積ヲ尋ヌルニ、三億余坪ト聞所、只茫漠タル平原ハ/美事ナ耕地ト一変シ、数十万ノ収穫ヲ、取得ル時期ハ切迫シ/于今巨大ノ有租地ト、成リ行ク事ハ疑ハズ、国ノ本タル農業ノ/債務ト担ヘシ移住民/勉メ励メヨ撓ミナク、開キテ得タル其土地ハ/皆骨折ノ報酬ゾ、子孫ノ為ナリ国ノタメ、丹精尽シ功労ト/名誉ハ後ニ顕レン、愉快モ趣味アル愉快ナリ、移住者万歳万々歳
広大な北海道天塩国を頑張って開拓していき財産をつくっていこうという希望が書かれています。
この他にも、寄贈していただいた資料の中には、天塩郡豊富の祭礼・家族の写真、樺太の写真がまとめられているアルバムがあります。昭和村の近代資料として大変な貴重な記録です。
〔続〕

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