菅家 博昭(大岐)
◆マリーゴールドの丘公園
10月24日、埼玉県本庄市の上越新幹線・本庄早稲田駅前の「マリーゴールドの丘公園」と、行田市の忍城の郷土博物館での「布をまとう」展を観た。展示会では、遺跡から出土した弥生時代の紡錘車や機織り部品・木製品が多数展示された。
今回は前者について報告。2023年8月4日定植で、フレンチマリーゴールドのグランドコントロールをはじめて大岐で栽培した。カスミソウ越冬株を採花終了した場所に、株を抜いて苗を植える「不耕起・無施肥」栽培として10月に出荷した。葉を売るマリーゴールドとして私たちは提案した。これはダイコン産地でセンチュウ予防のため栽培し畑にすき込む植物として利用されているもので、花の咲かないエバーグリーンという品種もあり、これは今年2024年に水田で栽培・出荷した。
マリーゴールドはメキシコ原産で欧州等に行き、流通商品名としてフレンチマリーゴールド、アフリカン(アメリカン)マリーゴールドとして現在、花壇、道路緑化、切り花等で利用されるが、多くはセンチュウ予防のために利用されている。
今年10種類の切り花用種子をタイのアメリシード社のものをカネヤ産業から購入し、5品種を試作した(ホワイトスワン、オリエンタルディープゴールド、マヤンオレンジ、チェディイエロー、チェディゴールド)。7月1日にプラグトレーに1粒ずつタネを蒔き、7月末に定植した。カスミソウハウスの中央通路の土に植え10月はじめから開花・出荷した。10月に咲く草花類として優秀であり、その中心地、埼玉県本庄市を訪問した。
平成6年から同地ではマリーゴールド花壇が作られ、25年に現在の公園が設定された(同市都市計画課)。夏のヒマワリ公園後に、マリーゴールドを植え、10月~の開花とし秋の花として長期間見頃を演出している。本来、マリーゴールドは6月開花の花であったが、この数年、秋の花になっている。
このたび花の団体が制作したwell-blooming projectのミニパンフレットはマリーゴールドであったので、理由を聞いてみた。事務局から以下のような回答があった。
『いくつか案はあったのですが、結果的に
○10月初旬のキャンペーン用ツールなので、秋の旬の花がよい(ハロウィンっぽい花店の店頭にもマッチ)
○誰でも知っている親しみのある花、かつ、おしゃれ花材
○well-blooming projectのロゴカラーがオレンジで、マリーゴールドのオレンジも「#ビタミンF」を想起させる元気な色であるということに加え、
○コンパニオンプランツとして、環境に貢献している植物
○マリーゴールドの花言葉「健康」が、well-blooming projectの柱でもある「ウェルビーイング」に通じるということが決定打になりました。
マリーゴールド、明るいながら秋らしいこっくり感もあるオレンジ・黄色でどんな花とも相性が良く、素敵な花材ですよね。私は繊細な葉が好きです。』
2023年、南会津町田島地区の青年がマリーゴールド切り花を大田花きに出荷し400万円の売上を上げている。私は夏の県主催の品評会でその花を見た。昭和村でも下中津川の小泉さんがカスミソウや草花類のなかでマリーゴールドの栽培・出荷をされている。 高温の夏が続き、夏枯れする植物・花が多く、9月、10月に出荷できる花類が少なくなり社会的な問題になっている。そのため10月咲きの花をこの数年試作検討しているが、低温・低日照でも開花する新しい切り花が必要で、マリーゴールドはその要望をかなえている。
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