東京もとみや会通信 No.97

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「ふるさと」=「あだたら山」
東京もとみや会副会長
野尻　大七さん

私は大学入学のため、18歳で上京しました。早いもので、本宮を離れてから50年以上も経ってしまいました。東京に出て来た時、何となく落ち着かなく、寂しい思いをしました。
それは、360度見渡しても〝山〟が見えないからでした。山国の風景を見慣れた私には不思議な感覚で、関東平野の広さに驚かされました。〝山〟のない風景に慣れるのに、かなりの時間がかかりました。
私の好きな「あだたら山」は、名倉山からの眺めです。眼下に、大玉村を見下ろし、真正面に青空をバックにした雄大な「あだたら連峰」の風景です。今年の正月、中学時代の友人が「あだたら山」の写真をメールで送ってくれました。雄大な、雪をかぶった「あだたら山」でした。
コロナのため、しばらく帰郷していなかったので、メールを見て、ふるさと「本宮」に帰った気分になりました。まさに、石川啄木の心境です。
『ふるさとの山に向ひて言ふことなし　ふるさとの山はありがたきかな』

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