私の随想録

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今回のライター
佐原　源士さん(糠沢)
―Sahara Motoshi―

■わたしのいいね!
自分で生産した野菜や果樹を使用して、パンを作っています。

「農業から始まるパンづくり」
福島県本宮市に戻って十年以上が経過しました。当時私は横浜に住んでいて、帰郷後にリーマンショック、東日本大震災の最中でした。
私の家は、兼業農家で米を中心に野菜や果樹を生産していました。何か特別な取り組みをしていたわけではなく、慣行的に農業を営んでいました。ある時から自分で生産した野菜、果樹を加工してパンや焼き菓子を作ることを始めました。季節ごとに収穫できる野菜をレシピに組み入れたら面白いと思ったことが取り組みのきっかけでした。
パンを作るには発酵種が必要になります。パン製造において発酵種として通常使用されるのはドライイーストが一般的かと思われますが、発酵種はレーズンやヨーグルト、麹などいろいろなものを発酵させて作ることができ、発酵種の種類によってその種の風味のパンを味わうことができます。また、パンにもいろいろな種類、作り方がありますが、組み合わせや料理などの具材を取り入れることにより、自分なりのオリジナルのパンを作れることもパンづくりの魅力ではないかと思います。
パンづくりは、自分の日々のルーティーンのようになりました。捏(こ)ねた生地が発酵の過程を経て膨らみ、焼成によりパンになっていく工程を見ていると、とても幸せを感じます。
日々生活をしているといろいろな事があります。いいことより悪い事の方が多いように思えるのは気持ちの持ちようなのかもしれませんが「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄(なわ)の如(ごと)し」といったように、いいことも悪いことも交互に来てほしいものです。自分が後悔のないように日々を過ごせたら幸せだと思います。