■今月の一冊
『逃げまくった文豪たち』
著者 真山 智幸
出版 実務教育出版
本書では、偉人や名言について研究している著者が、今もなお読み継がれている名作を著した日本を代表する文豪である夏目漱石や芥川龍之介、宮沢賢治たちだけでなく、海外の文豪フランツ・カフカやアガサ・クリスティなどに注目し、総勢45人による「文豪たちの逃げぶり」について書かれています。「人間関係」「家族」「仕事」「勉強」「自分との約束」などの7つの章ごとに文豪たちの逃亡劇が書かれ、独断と偏見で点数化された彼らの逃亡レベルもつけられています。
現代を生きていくうえで、「周囲の期待を裏切ってはいけない」「今こそ頑張りどころ」などと重圧がのしかかる瞬間がでてくることでしょう。本書にでてくる作家たちは自分にとって不都合なことが起きると、すぐに逃亡し、その結果、数々の名作を書き、文豪と呼ばれるようになりました。「嫌なことからにげてもいいのだ」と思わせてくれる元気や勇気をもらえる一冊となっています。
■おすすめ新着本
『ぼくんちのねこのはなし』いとう みく
『やまだめいたちのえにっき』山田 美津子
『おもいやりの絵本』WILLこどもの知育研究所
『たまごとにわとり』棚橋 亜左子
『どれほど似ているか』キム・ボヨン
『ナマケモノは、なぜ怠けるのか?』稲垣 栄洋
『88歳、しあわせデジタル生活』若宮 正子
■公共図書館の現場から
『まっくろネリノ』/ヘルガ・ガルラー
本書の主人公である小鳥のネリノは、家族の中で一人だけまっくろな色をしています。そのため、きれいな色をした4人の兄さんたちから仲間外れにされ、ネリノはいつもひとりぼっちでした。ところが、ある日兄さんたちが行方不明になってしまい、ネリノは兄さんたちを探しにでかけます。
本書を市内の保育所・幼稚園の年長さんのクラスで読み聞かせをしました。春から小学生になる子どもたちにとっては、ネリノの不安が良く理解できるようで、自分と主人公を重ねている様子がとても印象的でした。
〔栁沼 彩さん/図書館司書〕
しらさわ夢図書館【電話】44-2112
中央公民館図書室【電話】24-1932
どちらの窓口からも借りることができます。
利用時間:(火)~(土)9:30~20:00(日)・(祝)9:30~17:00
休館日:4月1日(月)、8日(月)、15日(月)、22日(月)、30日(火)
館内特別整理のため4/8(月)~4/12(金)(中央公民館図書室)、4/15(月)~4/22(月)(しらさわ夢図書館)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>