■今月の一冊『壁を超えるマインドセット 尖らない生き方のすすめ」
著者:木村 敬一
出版:プレジデント社
本書は、2021年東京パラリンピック水泳男子、100mバタフライで金メダルを獲得した木村敬一選手の著書です。木村選手は、2歳の時に視力を失い、小学4年生で水泳と出会いました。3度のパラリンピックに出場したものの思うような結果を出せず、4度目の挑戦で、金メダルを獲得することができました。その背景には、意識的に肩ひじを張らないように生きてきたことが、幸運をもたらしてくれたと語ります。好きな言葉は、「戦略的撤退」(単に逃げるのではなく、覚悟を決めて撤退すること)であり、弱気な自分が顔を出しそうになった時は、この言葉をつぶやくことで勇気が湧いてくる。尖らない生き方こそ、行き詰らないためのマインドセットであるといいます。厳しい練習の中でも、人生はいろいろあるからおもしろいと、水泳を本当に楽しんでいることがわかります。努力の先にある壁を乗り越えるためのヒントが書かれた一冊です。
■おすすめ新着本
『10歳からの 考える力が育つ20の物語』石原 健次
『#マイネーム』黒川 裕子
『そして、あの日』リンデルト・クロムハウト
『アグネスさんとわたし』ジュリー・フレット
『心療内科医が教える本当の休み方』鈴木 裕介
『もりあがれ!タイダーンヨシタケシンスケ対談集』ヨシタケ シンスケ
『絵本のいま絵本作家2023-24』イラストレーション編集部
■学校図書館の現場から
『いわたくんちのおばあちゃん』/天野 夏美
本書は、戦争の物語を学習している小学4年生にブックトークで紹介しました。主人公の小学4年生の「ぼく」が、友達のいわたくんのおばあちゃんがなぜ家族と写真に写りたがらないのか、その理由は悲しい戦争体験からきていることが描かれている本です。この話は実話であること、そしてあとがきに書かれた「戦争は過去のことではなく、未来の話になるかもしれない、その未来を作るのは君たちだよ」という言葉を紹介すると、子どもたちは真剣な表情で聞いていました。
〔小林美穂さん/学校図書館司書〕
しらさわ夢図書館【電話】44-2112
中央公民館図書室【電話】24-1932
どちらの窓口からも借りることができます。
利用時間:(火)~(土)9:30~20:00(日)・(祝)9:30~17:00
休館日:8月5日(月)、13日(火)、19日(月)、26日(月)
※休館日や開館時間が変更になる場合もあります。ホームページや電話でご確認の上、ご来館ください。
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