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≪特集≫楢葉で米作りを続ける理由(ワケ)

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福島県楢葉町

下繁岡地区で米作りを行っている猪狩博美(いがりひろみ)さん。
自分の土地だけでなく、地区にある多くの土地も耕し、管理しています。
担い手が減って耕作ができなくなった田んぼを毎年管理するその理由を聞きました。

◆猪狩さんはいつから米作りをはじめたのですか
平成30年から始めて、今年で7年目になります。
最初の年は、自分の田んぼ二反(たん)から始まり、今は九町(ちょう)の田植えを行っています。
※一反…面積を表す農業用語の単位。約300坪。ならはスカイアリーナのプール3つ分ぐらいの広さ。
※一町…一反の10倍の広さ。約1ヘクタール。

◆田植えを行うきっかけがあったのですか?
震災後、下繁岡地区でほ場整備がありましたが、地域の組合も解散し、耕作する担い手がいませんでした。
そんな状況を聞いて、「荒れていく田園風景をほっておけなかった」という気持ちが1番にありましたね。
ちょうど定年のタイミングと重なり、地域の担い手になれればと思いました。
「私がやるからほ場整備に協力してほしい」と一軒一軒まわって、今の広さの田植えを行うことになりました。

◆九町というとだいぶ大きいと思いますが、猪狩さん一人で行っているのですか?
さすがに一人では大変なので、近所の知り合いに声をかけて私も含め3人で行っています。
2人とも「地元のためなら」と田植え・稲刈りを手伝ってくれてとても助かっています。

◆猪狩さんが田植えをする際に何か気をつけていることはありますか?
地域の方の土地を借りているということで、田植えというより、土手の草刈りはしっかりやるようにしています。自分の土地を貸して草がいっぱい生えてたらみっともないじゃないですか。年に4回は畦畔の草刈りをするようにしています。

◆何歳まで続けようと思っていますか?
下繫岡の田植えを始めるとき、70歳まではやろうと思っていました。しかし、その年がもう目の前まで来ました。今の体力とかを考えても、少なくともあと2〜3年はできる気がしています。そのあとはその時になってみないとわからないですね。
最近、自分の父親は何歳までやってたかなと考える時があって、それは超えたいと思っています。

◆地域の田園風景が「こうなってほしい」という思いはありますか?
今の風景を維持できればいいなと思っています。そのために、役割を受け継いでくれる人を探しています。
私は米のほかに、甘藷(さつまいも)を五反ほど、趣味ではブドウ栽培も行っています。
年を重ねれば自分のところだけで精一杯になりますから、その年を迎えても田園風景が残っていることを祈っています。

◆今後も地域の風景を守るため頑張ってください!ありがとうございました!

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