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スポーツ・まなびの広場

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福島県楢葉町

『石塔・石仏散歩(2)』

今回は、町内に点在する石塔・石仏の中で、農業に関わる信仰の石造物を中心にご紹介します。
農業は現在も重要な生業であり、田畑の作物は私たちの生活の糧として必要不可欠なものです。そのため、作物の豊作や日照りや水害などの災害による不作が無いように神仏に祈ることは、極めて自然なことであったと思われます。
町内には、このような農業に関わる信仰の表れとして山神塔などの石造物が見受けられます。山神塔は、山の神が農耕が始まる春に山から里に降りてきて田の神となり、作神(農業の神)となって五穀豊穣を助け、秋の収穫が終わると、新穀を受けて山に戻ることから、農民から信仰を受け造立されております。町内には「山神」「大山祇之命」など19体の石塔が確認されています。
また、牛や馬は、江戸時代には田畑の耕作、物の運搬に有用な動物でありました。当時の人々にとっては非常に身近な動物であり、馬の無病息災や荷運びや旅などの道中安全、死んでしまった馬の冥福等の目的から造立された「馬頭観世音」の石仏や供養塔を約100体見ることができます。
「東堂山」と刻まれた石塔も馬の守護・供養に関わる石造物で7体確認されており、家畜繁盛・守護でご利益のあった東堂山満福寺(田村郡小野町)を信仰する講(信仰者の集まり)が結成されていたようです。このような特定の神社、寺院を信仰する講に関わる石塔は「湯殿山」「月山神社」「金華山」「金毘羅山」などが残っています。
町内の石塔・石仏はひっそりと道端に立っていますが、ひとつひとつにかつての人々の祈りを感じることができます。散歩のついでに足を止めてじっくり観察してはいかがでしょうか?

◆ちょっと詳しく
東堂山参り(上小塙地区の古老からの聞き取りです。戦前の代参の様子が読み取れます。)
農耕馬の健康安全祈願のため講中の代参者を抽選で2名選び、年に1回東堂山満福寺に参詣した。祭礼が旧3月17日なので、前日に出発し、戦前までは川内村経由で10里ほどの距離を徒歩で往復した。当地の宿に一泊し、神札を受け、帰ってから講中の各戸へ配った。
他の講員は、祭礼の日に一人5合の米を「宿」となる家に持ち寄り、男だけで食事の支度をした。「馬頭観世音」の掛軸を掛けて焼香礼拝を行ない、代参者の無事を祈りながら精進料理で昼食をとった。

お問い合わせ先:生涯まなび課
【電話】0240-25-2492

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