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田村市の文化財

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福島県田村市

■坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)(2)
前回は坂上田村麻呂(以下、田村麻呂)の生誕にまつわる伝説を紹介しました。
今回は市内に残る神社や寺院、地名にまつわる伝説を紹介します。
まず、地名に関する伝説として、田村麻呂が敵を見るために登った鞍掛山(田村麻呂の馬に鞍を掛けたことが由来)から矢を放ち、矢が山の肩をそれたことから片曽根山(船引)。白鳥に導かれ、大声を出して駆け行ったことに由来する地名・大越と欠入(かけいり)(いずれも大越)。馬を洗ったところに由来する地名・馬洗戸(うまあらいど)(都路)。兵士を休ませたところに由来する地名・休場と五十人山(いずれも都路)。亡くなった兵士を船に乗せ、川を引いてきたことに由来する地名・船引(船引)などがあります。
次に、戦勝祈願に関する神社・寺院の伝説として、菅谷神社(滝根)、一石寺(いちこくじ)(現存しない。大越)、天日鷲神社(都路)、山口観音(都路)、東鳥堂(現東鳥神社・船引)、明石神社(船引)などがあり、これらは苦戦を強いられている時に戦勝を祈願し建立したというものです。
そして、戦勝御礼に関する神社・寺院の伝説として、白鳥神社(大越)、子松神社(常葉)、鹿山神社(常葉)、日鷲神社(常葉)、堂山寺(現堂山王子神社・船引)などがあり、これらはスサノオノミコトや日本武尊(やまとたけるのみこと)の化身が、清水寺から授かった観音菩薩像の化身が白鳥や鷲などの鳥に姿を変え、田村麻呂軍を導き、戦いに勝てたので、それに対する御礼から建立したというものです。
また、兵馬の供養に関する神社・寺院の伝説として、亡くなった兵士や馬を供養するため、京都・清水寺の一定法師を迎えて開山したという慈心院(常葉)、船引川(大滝根川)に浮かべて引いてきた棺の一つを永久に保存するために建立したという宝船寺(ほうせんじ)(現存しない。船引)。このほか、田村麻呂建立伝説がある神社・寺院として、京都・鞍馬寺を模して建立したという入水寺(滝根)、剛叟寺(滝根)、峯霊神社(大越)、三渡神社(常葉)、大聖寺(船引)などがあります。
次回は、田村麻呂軍と戦った大多鬼丸(おおたきまる)など蝦夷(えみし)側を主人公とした伝説にスポットをあてるとともに、歴史上の田村麻呂の生涯を紹介します。

次回は「坂上田村麻呂(3)」を紹介する予定です。
(※田村市の文化財一覧は本紙またはPDF版の二次元コードからご覧ください。)

問合せ:教育部 生涯学習課
【電話】81-1215

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