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田村市の文化財

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福島県田村市

■仏像(ぶつぞう)
仏像とは、仏教の開祖である「仏(ほとけ)」様の像に加え、仏教にまつわるあらゆる像を総称した呼び名です。
仏像には大きくわけて「如来(にょらい)」「菩薩(ぼさつ)」「明王(みょうおう)」「天部(てんぶ)」の4つの種類があります。仏像の中で最も上位にあたり、悟(さと)りを開いているのが如来です。その次に位置するのが、悟りを開くため修業している最中にある菩薩です。その次が、激しく怒っているかのような険しい表情をしている明王です。その次が、上位の仏に従い、敵と戦う人々の守り神で、戦士や天女などの天部です。
このほかにも、さまざまな種類の仏像がありますが、仏像は信仰礼拝の対象としてだけではなく、芸術的・美術的な観点から鑑賞されるほか、今日では美術品としての価値も高まっています。
市指定有形文化財の仏像は25軀(く)あり、そのうちいくつかをご紹介します。
はじめは、滝根町菅谷・入水寺(にっすいじ)観音堂に安置されている木造聖観世音菩薩立像(もくぞうしょうかんぜおんぼさつりゅうぞう)です。一木造りで高さは約154センチあり、その作風から室町時代頃のものと推定されます。入水寺縁起(えんぎ)によると、しばしば火災に遭(あ)っており、腕や台座などは後補となっています。
次は、都路町岩井沢・長岩寺に安置されている木造薬師如来坐像(もくぞうやくしにょらいざぞう)です。高さは26.5センチあり、造立年代は不明です。長岩寺由来記によれば、昔、干(かん)ばつがあった時、ひとりの翁(おきな)が現れて雨ごいをしたところ大雨が降ったといい、その翁が背負っていたのがその像だったとされます。
次は、常葉町関本・東円寺薬師堂に安置されている東円寺薬師堂仏像群(とうえんじやくしどうぶつぞうぐん)(15軀)です。堂内中央に薬師三尊(薬師如来、日光菩薩、月光菩薩)と、それを取り囲むように十二神将が配置されています。諸像はいずれも江戸時代の作と推定されます。
最後は、船引町堀越・龍泉寺に安置されている木造薬師如来坐像です。寄木造りで高さは42.7センチあり、両手首より先が欠損(けっそん)し、像名を判断することはできませんが、頭部内に「永和元年」(1375)の年号とともに「奉造立薬師如来」と墨書(ぼくしょ)されていることから造立年と尊名がわかります。

次回は「城館跡」を紹介する予定です。
(※田村市の文化財一覧は本紙またはPDF版の二次元コードからご確認ください。)

問合せ:教育部 生涯学習課
【電話】81-1215

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