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田村市の文化財

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福島県田村市

■芦沢花立制札場跡(あしざわはなだてせいさつばあと)と岩城街道(いわきかいどう)
船引町芦沢字花立前地内に、江戸時代から明治時代初めにかけて、かつてあった制札場を復元したものが建っています(芦沢花立制札場跡として市指定史跡。以下、花立制札場)。
制札場とは江戸時代に幕府や藩の命令、知らせなどを板または紙に記して掲示した場所で、高札場(こうさつば)ともいわれ、多くの人の目に触れるように、集落の中心や人通りの多い街道沿いなどに設けられました。旧三春藩全体では、明治4(1871)年に布告等掲示の制が公布されるまで、90カ所以上に設置されていました。花立制札場はそのうちの一つで、三春といわきを結ぶ岩城街道(以下、旧道)沿いにあり、当時の旧道の道筋を知る上でも貴重な史跡として、地元保存会によって周辺の環境美化・保全活動が行われています。
花立制札場とあわせて市の有形文化財に指定されている制札は、明治2(1869)年の銘があり、江戸から明治に時代が変わった大転換期にあって、悪い風習や習慣を正しくすること、農業に精を出すこと、土地を新たに開発することなど、人々の暮らしのあり方を示す内容が記されています。
芦沢地区を通ったかつての旧道は、現在の主要道である県道門沢・三春線(以下、県道)とかなり道筋が異なります。それは、明治16(1883)年に道路改修が行われた際、新しい道(県道の前身)に平たんな地を選び、交通輸送の障害にならないよう、できるだけ直線でもって結ばれたことに由来します。そのため、県道を外れた作場道などにかつての旧道の姿が今も残ることになりました。例えば、芦沢字光大寺地内の大滝根川沿いに至る作場道、芦沢字東ノ内地内の県道北側を通る作場道、花立制札場から東に雑木林を抜ける作場道などの道筋がそれにあたります。なお、この旧道について詳しくは市史8「田村市を通った岩城街道」としてまとめてありますので、興味のある方はぜひお手にとってご覧いただければと思います。
最後に、芦沢地区を通った旧道の道筋を知れる資料として、「磐前県管轄第四大区小四区田村郡芦沢村地引縮図(いわさきけんかんかつだいよんだいくしょうよんくたむらぐんあしざわむらじびきしゅくず)」(市指定有形文化財)があります。明治7(1874)年頃に作成されたタテ・ヨコとも約250cmの大絵図には、当時の芦沢村の土地情報などが配色豊かに詳細に描かれ、旧道が太い朱色の線で引かれています。

※このたび市教育委員会では「国指定重要文化財堂山王子神社本殿奉納絵馬・棟札等図録(以下、図録)」と「市文化財マップ(以下、マップ)」を発行しました。
図録は、堂山王子神社に奉納された絵馬116点と、最古の奉納物である明応7(1498)年銘の順礼納札・江戸時代からの修復の歴史を伝える棟札等47点をあわせて収録。生涯学習課および各公民館窓口で1冊500円で頒布しています。マップは、市内の主な指定文化財の紹介と、文化財一覧などをあわせて掲載したもので、市役所北入口内、生涯学習課窓口、各行政局および各公民館窓口などで無料配布しています。

次回は「昔ばなし」を紹介する予定です。
(※田村市の文化財一覧は本紙またはPDF版の二次元コードからご確認ください。)

問合せ:教育部 生涯学習課
【電話】81-1215

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