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[12月3日~9日は障害者週間 手話特集]心をつなぐ いろんなカタチ

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福島県田村市

目覚ましの音で起きる朝。
屋根を打つ雨の音。
背後からの自転車のベル。
知らない人の何気ない会話。

音からたくさんの情報を得ている私たち。

音がない世界とは…。

市内の184人の聴覚障害者。(6年4月1日現在)
その中でろう者と言われる方がいます。

ろう者は、音声言語を覚える前に聞こえなくなった方たち。

彼らの言葉は手話。
手話は、音声言語である日本語と文法や表現方法が違います。
手指や体の動き、表情を使って表す、目で見る言葉です。

手話というもう一つの言語に触れること それは新しい世界の始まりでした。

今回は、手話を使う聞こえない人、聞こえる人たちに話を伺いました。

■聞こえない私と、聞こえる私。
○聞こえる人と同じように暮らしたい
田村市聴力障害者会 渡邉喜好(きよし)会長

Q:学校ではどのような学習をしましたか?
A:私の場合は幼稚部から聾学校に通いました。小学部1年から2年までは、教科書がなく五十音と口(くち)の形を学びました。3年生の時、聞こえる人と同じ1年生の教科書が配られました。人にもよりますが、学習の遅れが数年あります。
Q:聞こえる人とどのようにコミュニケーションをとっていますか?
A:主に筆談です。「伝えなきゃ!」と思って声が出る時もあります。でも聞こえないから声が合っているか分かりません。
Q:うれしかった出来事はありますか?
A:聞こえる人と同じように行政区の組長が回ってきたことです。聞こえないから無理と決めつけず、同じように接してくれたことがうれしかったです。障害を理解してもらうためにも地域とのつながりはとても大切です。
Q:聞こえなくて困ることはどんなことですか?
A:特に不安に感じるのは事故を起こした時や巻き込まれた時です。警察や保険会社へ自分で電話できません。筆談も限界があります。周りの状況も聞こえないので理解が難しく、手話通訳を呼んだこともあります。手話通訳は、私たちが聞こえる人とコミュニケーションをとる上で欠かせない存在です。

○人の思いを正しく伝えたい
登録手話通訳者 佐久間真樹さん

Q:手話通訳者とは、どんなお仕事ですか?
A:市に手話通訳として登録している私たちは、行政の行事や聞こえない人が行く病院などに派遣され通訳を行っています。
Q:手話通訳者として大切にしていることはありますか?
A:その人の背景を知ることです。その人のことを正しく伝えるため、日頃からコミュニケーションをとっています。その人が使った「単語」がどういう意図なのか理解することができます。また、聞こえない人は、聞こえる人に比べて情報が少ないので、情報を補うということも意識しています。
Q:筆談は万能ではないのでしょうか?
A:「相殺(そうさい)」という言葉を筆談で使われた時、ろう者は「殺される」と思ったという話があります。このように日本語と手話では表現が異なる言葉もあります。
Q:筆談で会話する際のポイントを教えてください。
A:短く分かりやすく書くことがポイントです。

■手話に触れてみよう
市内では、ろう者の先生から手話を体験、勉強できる活動が定期的に開催されています。
◆出張手話教室 ー手話講師を派遣していますー
費用:無料
時間:30分~2時間程度
内容:聞こえない人の生活についてのお話
挨拶、自己紹介などの手話体験などご要望に応じます。学校の道徳の時間、職員研修、イベントなど、お気軽にお問い合わせください。

問合せ・申込み:保健福祉部 社会福祉課
【電話】81-2273

◆聞こえない、私たちが困ること。
○電話
・気づかない
・出られない
・かけられない

○背後から
呼びかけやサイレンに気づけない

○音声放送
店内の放送、防災無線が分からない

○情報不足
周りの会話が分からない

◆聞こえる、私たちができること。
○連絡先に
・FAXやメールを追加

問合せ:田村市社会福祉課
【電話】81-2273【FAX】82-6003【E-mail】fukushi@city.tamura.lg.jp

○話しかける時
・肩をたたくなど合図を送る
・目を合わせる
・口元をみせてゆっくり話す

○筆談や身振り
・筆談は短く、わかりやすく
・表情やジェスチャーを交える

◆手話奉仕員養成講座
聞こえない人と聞こえる人をつなぐ、“地域の支援者”を育成しています。
始めて手話を学ぶ人を対象に、日常会話など楽しく学べる講座です。
費用:無料
時期:6月~10月、毎週火曜日、午後7時~9時
場所:市役所
内容:手話の日常会話や聴覚障害について学びます。
市政だより4月号で受講生を募集します。

○受講生 吉田義一さん
地域の民生児童委員。「担当地区のろう者と話したい」との思いから参加を決意。手話にも方言があって、「習った手話と違う!」と新たな発見もあります。

○受講生 坪井富子さん
福祉事務所勤務。筆談に時間がかかり、伝わらなかった経験から手話を学び始めました。みんなと一緒だから、頑張れます。

○受講生 渡邉ひろみさん
地域の薬局で勤務。ドラマを見て参加してみようと思いました。ろう者のお客様に手話で対応できるようになり、仕事に活かされています。

◆市内の手話サークル
○手話サークル「つみき会」
開催:毎週金曜日 午後7時30分~9時
場所:船引公民館
年会費:2,400円
内容:単語や手話表現の学習、忘年会などの行事もあります。

○ミニ手話学習会
開催:毎月第1、第3木曜日 午前10時~正午
場所:ふねひき地域包括支援センター
年会費:無料
内容:単語や手話表現の学習、ろう者と情報交換などをしています。
対象:65歳以上

◆初心者向け手話 よく使う日常会話 Vol.1
今月号から、手話初心者向けに、日常でよく使う手話をご紹介します。手話の表現方法を学んで、いろんな場面で使ってください。

○気を付けて
グーを縦に並べて胸に引きつけるイメージ。「気をつけてお帰りください」の時に使います。

○ありがとう
左手の甲に右手を乗せて上にあげる。

頭はお辞儀をするように軽く下げる。

(※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。)

問合せ:保健福祉部 社会福祉課
【電話】81-2273【FAX】82-6003

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