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[連載]高齢者の移動手段を考えませんか?(上)

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福島県田村市

~運転免許証の自主返納編~
高齢ドライバーが運転操作を誤るなどして、加害者となる痛ましい事故が県内でも発生しています。今月の特集では、高齢ドライバーが重大事故を未然に防ぐための対策や、運転免許証を返納した後の暮らしなどをご紹介します。

■専門家に聞く
○田村自動車学校 石井勝(まさる)さん
70歳以上の方が運転免許証を更新するには、高齢者講習の受講義務があります。75歳以上の方は、認知機能検査(全ての方)と運転技能検査(対象者のみ)を受検してクリアしないと、免許証の更新や継続ができない場合があります。
4年5月から導入された運転技能検査は、四輪免許所持者で一定の違反歴がある方が対象です。免許証の有効期限内に合格して、更新手続きを完了しなければ免許証が失効します。福島県公安委員会から発送される高齢者講習等通知書が届いたら、早めに最寄りの自動車学校へ直接電話等で申し込んでください。
運転に不安のある方や交通の便がある方は、免許証の返納を選べます。私たちは高齢者講習や市シルバー安全運転講習会を通じて、いつまでも安全運転を続けるためにはどうすればよいかのアドバイスをしています。運転免許証を継続するか返納するか迷ったら「安全運転相談ダイヤル#8080」に問い合わせて相談できます。

○運転技能検査の対象となる違反行為
(1)信号無視
(2)速度超過
(3)通行帯違反等
(4)踏切不停止等・遮断踏切立ち入り
(5)携帯電話使用等
(6)通行区分違反
(7)横断等禁止違反
(8)安全運転義務違反
(9)横断歩行者等妨害等
(10)交差点等安全進行義務違反
(11)交差点等右左折方法違反等

○市高齢者運転免許証自主返納支援事業申請者数
3年度:57人
4年度:67人
5年度:61人

○免許更新前の講習と検査の流れ
講習と検査は誕生日の5ヵ月前から誕生日の1ヵ月後までの6ヵ月間に受ける義務があります。

※1…表記の年齢は、免許証更新期間満了時点です。
※2…運転技能検査対象者の方は、検査に合格しないと免許証の更新ができませんが、再検査は可能です。
※3…医師の診断の結果、認知症ではないと判断されれば、免許の継続は可能となります。

■運転免許証を自主返納する?
◆[はい]自主返納
(1)有効期限のある運転免許証を、田村警察署など県内の警察署、交番・駐在所もしくは自動車運転免許センターに返納してください。
(2)返納手続きをすると「申請による運転免許証の取消通知書」が発行されます。この通知書は市の「高齢者運転免許証自主返納支援事業」を申請する際に必要となります。
(3)自主返納すると「運転経歴証明書」も有料で申請できます。運転経歴証明書は、これまで安全運転を続けてきた証しとなり、身分証明書として利用できます。

○[市民インタビュー]運転免許証を返納
根本米子(よねこ)さん(86) 船引町
Q.運転免許証を返納した理由を教えてください。
A.ニュースで高齢ドライバーが痛ましい事故を起こしているのを知ったことがきっかけです。「交通事故を起こさないうちに」と思い、返納しました。今は運転をやめて、気分が楽になりました。
Q.返納後の生活でどんな変化がありましたか。
A.特段、不便を感じませんでした。同居している家族がいるため、買い物や友人と会う時などに、送迎してもらっています。
Q.返納後の交通手段を教えてください。
A.買い物でらくらくタクシーを使ってみましたが、意外と簡単でした。友人たちにもおすすめしています。
Q.免許証返納を考えている方にメッセージをお願いします。
A.自身の体の状態を確認したり、家族と相談するなどして選択肢を広げてもらいたいです。

○田村市高齢者運転免許証自主返納支援事業
対象:市内に住所を有する70歳以上の方で、有効期間内の全ての運転免許証を自主返納した方(失効は対象外)
内容:交通利用券5,000円分(次のいずれか一つを選択)
・デマンドタクシー利用券
・Norucaカード
・Suicaカード
申込方法:
(1)田村警察署など県内の警察署などで自主返納の申請をする。
(2)申請後「申請による運転免許証の取消通知書」が発行される。
(3)返納後「申請による運転免許証の取消通知書」を持参し、生活安全課または各行政局、各出張所の窓口で申請する。

問合せ:市民部 生活安全課
【電話】82-1116

◆[いいえ]安全運転のための対策
(1)記憶力と読み書きを向上させる
毎日、欠かず日記をつける。慣れたら具体的な内容を記入する。
(2)視力を向上させる
物が二重に見えるといった症状はそのまま放置せずに、早めの眼科受診をする。
(3)視野を向上させる
頭を動かさずに目を左右上下に動かすほか、大きく目を見開くなどの運動をする。
(4)考え方を変える
何事も自分本位でなく、譲り合いの精神で余裕ある行動を心がける。

○[市民インタビュー]運転を続ける
遠藤美貞(よしさだ)さん(88) 船引町
Q.運転を続ける理由を教えてください。
A.健康を維持するために続けている運動を行うための移動手段として、車を運転しています。買い物などにも利用しています。
Q.市シルバー運転講習会を受講した感想を教えてください。
A.視力や脚力など、自分の体の状態を知るために毎年受講しています。今のところ、体の状態に問題はありませんでした。
Q.運転の際、気を付けていることを教えてください。
A.注意事項を声に出すなど、周りの状況に注意しながら運転しています。予定の時間より早く出発するなど、余裕を持った行動も心がけています。
Q.運転免許証を自主返納する予定はありますか?
A.今のところはありません。自分の体と相談しながら、車の運転を考えていきたいです。

○田村市シルバー安全運転講習会
対象:市内に住所を有する70歳以上の方
日時:
・10月19日(土)午後1時15分~3時45分
・11月9日(土)午後1時15分~3時45分
場所:田村自動車教習所
内容:座学と実技による講習
※受講料無料、定員各回10人
申込方法:電話または生活安全課窓口で申し込む。

問合せ:市民部 生活安全課
【電話】82-1116

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