■ハクトウワシ
ナサニエル・シャイフリー
アメリカ合衆国・オハイオ州出身(田村市に来て7年目)
「ハクトウワシ」はアメリカ合衆国の国鳥です。北アメリカに生息し、南北アメリカで最大の猛禽類(もうきんるい)の一種です。ハクトウワシはアメリカの通貨にも描かれています。25セント硬貨のジョージ・ワシントン大統領の横をはじめ、大統領旗、大統領の公式紋章にも描かれています。ハクトウワシはアメリカで最も有名なシンボルですが、2024年12月に議会で正式に制定されるまでは、「アメリカの国鳥」と宣言されてはいませんでした。1782年に、アメリカの国のシンボルと宣言されましたが、国鳥ではありませんでした。このためアメリカには242年間、国鳥がいなかったことになります。
ハクトウワシの歴史は、興味深いものがあります。頭には白い羽毛がありますが、体全体は茶色の羽毛です。そのため、ハクトウワシの頭には羽毛がないように見えます。これが「白頭(bald)ワシ」と呼ばれる理由です。アメリカがハクトウワシを選んだのは、力強く威厳があるように見えたからです。また、ワシはローマ共和国でも使われていたため、アメリカは強力な国家の象徴として使いたかったのでしょう。ハクトウワシは力強い鳥ですが、狩猟の対象にもなります。
ネイティブアメリカンは、ワシの羽を衣服や帽子に好んで使いました。その結果、狩猟によってハクトウワシは絶滅の危機に直面しましたが、ありがたいことに2007年に絶滅危惧種のリストから外されました。今はアメリカで非常によく知られている鳥です。次回、アメリカを訪れる際は、ぜひ地元の湖や森を訪れてみてください。ハクトウワシが魚を捕まえようとしている姿が見られるかもしれません。
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