各地のお祭りや年中行事の際に奉納される歌や踊り、演劇などを民俗芸能といい、地域の中で永く伝えられているものもあります。
神楽は、神を迎えて慰めるために舞いや芸などを演じる民俗芸能のひとつです。面をつけて神々の姿になったり、剣や鈴などを持って踊ったりと、継承される地域によって形態はさまざまです。東北地方では、ユネスコ無形文化遺産に登録された、岩手県の早池峰(はやちね)神楽などが有名です。
白河の総鎮守である鹿嶋神社(かしまじんじゃ)には、神社の祭礼や行事の際に奉納される「鹿嶋神社神楽」が伝えられています。現在では主に、お正月の元始祭、2月のだるま市、9月の白河提灯祭り、11月の新穀感謝祭のときに行われています。
特に、だるま市では市の中心に仮設の舞台が設けられ、集まった多くの人が神楽の舞いを見物します。
また、小田川芳賀須内(こたがわはがすうち)地区では「芳賀須内の虫干(むしぼし)神楽」が行われています。獅子頭(ししがしら)を持ち、面をつけた神楽の一行が地区内の各戸をまわり、家の中を一巡して無病息災・悪疫退散を祈願します。
神楽の奉納は神との交流であると同時に、私たちの日常の暮らしに楽しみや華やかさを与える存在でもあるといえます。
こうした民俗芸能の継承は、地域の人びとのひたむきな取り組みによって維持されてきました。今に伝えられてきた地域の芸能を、鑑賞してみてはいかがでしょうか。
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