Qちゃん:市内に住む小学生
つぼくら先生:相馬中央病院医師、福島医大主任教授
■「ただちに影響はない」ってどういうこと?
Qちゃん:野菜や果物などの放射性物質検査の結果を公表している記事を見ると「ただちに影響はない」ってよく書いてあるんだけど、それって食べてもいいってことなのかな?
つぼくら先生:出荷制限されている食品のことだね。出荷制限の基準は、基準を超える放射線が検出された食品を1年間食べ続けたら、1ミリシーベルトを超える値なんだよ。ただ、1ミリシーベルトは基準としては設定されているけれど、安全と危険の境では全くないよ。食べすぎるのは、全く問題ないと言うことは出来ないけど、1度や2度くらい食べたとして、実際の影響は無いよ。
Qちゃん:そういえばこの間おじいちゃんが近くの山から採ってきたキノコを食べちゃったんだ。もし、基準を超えていたとしても今すぐ病気になったりはしないよね?
つぼくら先生:確かに野生のキノコは放射性物質を検出しやすいけど、種類によっても度合いがあるし、基準値を超える放射性物質が含まれているキノコを何回か食べたとしても、健康に害を及ぼすことは全く考えられないよ。例えば、食品基準値が1キログラム当り100ベクレルの食品を50グラム食べた時の内部被ばく量を計算すると0.000065ミリシーベルト(0.065マイクロシーベルト)になるんだ。普段の生活で自然から受ける被ばく量は年間で約2.1ミリシーベルトだから驚くほど小さい値だね。
Qちゃん:そうなんだ。じゃあ相馬市の野菜や果物なんかは食べてもいいのかな?
つぼくら先生:相馬市で作られる野菜や果物などを測定しても、今では基準値を超えたり、基準値に近い数字を検出したりすることはほぼないよ。ただ、特定の山菜やキノコは、測定したときに基準値を超えることがあるから、検査してから食べるようにした方がより安心だね。
Qちゃん:そうなんだ。おじいちゃんには、次に山から採ってきたキノコを食べるときはちゃんと放射性物質の検査をしてから食べるように言っておくね。先生ありがとう。
■今回Qちゃんが分かったこと
・食品基準値を超える食品を数回食べたり飲んだりしただけではすぐに健康に悪影響が表れることはないこと。
・野生のキノコなどは放射性物質の検査をしてから食べたほうが良いこと。
問い合わせ先:放射能対策室
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