Qちゃん:市内に住む小学生
つぼくら先生:相馬中央病院医師 福島医大主任教授
■風で放射性物質が飛ばされて来ることはあるの?
Qちゃん:冬の今、西風が強い日があるけど、山や森などから放射性物質が風で飛ばされて来て、僕たちの生活圏の空間線量に影響することはあるの?
つぼくら先生:平成26年度の調査によると、森林から生活圏などに飛散するセシウムなどの放射性物質による空間線量率への影響は、大気浮遊じん中の放射性セシウム濃度から推計して1,000万分の1マイクロシーベルト程度と、空間線量に影響を与えるような量ではないことが明らかになっているよ。
Qちゃん:じゃあ、山地から流れて来る川の水はどうかな?セシウムが溶け出していたりしないの?
つぼくら先生:モニタリング結果によると、山地からの放射性物質の流出も河川や湖沼などに明確な影響を与えるものではないことが明らかになっているんだ。流域から河川への放射性セシウムの年間流出率は、流域の土壌への沈着量の0.02~0.3パーセント程度と見積もられていて、土が大量に流されてくるような状況じゃない限り、河川の放射性物質濃度を変化させる程ではないとみられているよ。
Qちゃん:それなら、例えば山火事になって木がたくさん燃えてしまっても、空間線量には影響しないのかな?
つぼくら先生:2016年~2017年に、実際に山火事が起きた場所で自治体や森林総合研究所が調べた結果では、燃焼した場所としなかった場所の空間線量に大きな違いは見られなかったんだ。だから、風による空間線量の変化は、あまり心配しなくていいと思うよ。それから、今の季節は、放射線だけじゃなく新型コロナやインフルエンザなども気をつけなくちゃいけないよ。食事と睡眠そして感染症対策をしっかりして健康的な生活を送ろうね。
Qちゃん:うん、わかったよ。あまり心配し過ぎず、健康に気をつけるね。先生ありがとう。
参考資料:
・環境省ホームページ「放射線による健康影響等に関するポータルサイト」
・復興庁ホームページ「森林の放射性物質に関する知見(参考資料)」
■今回Qちゃんが分かったこと
・放射性セシウムが空間線量が高い森林などから生活圏に移動し、生活圏の空間線量が高くなることはないこと。
・山地などを水源とする河川の水によって生活圏の線量が高くなることはないこと。
問い合わせ先:放射能対策室
【電話】37-2270
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