■自分たちの子や孫たちが暮らし続けたい魅力あるまちづくり
磐梯町長 佐藤 淳一
新年あけましておめでとうございます。磐梯町長の佐藤淳一です。
町民の皆さまが輝かしい新年を迎えられたことを、心よりお慶び申し上げます。
現在、2期目の町政運営を担わせていただいておりますが、その責任の重さを改めて実感し、身の引き締まる思いでおります。皆さまのご期待にお応えできるよう、全力で課題に取り組んでまいります。
さて、昨年の正月には「能登半島地震」が発生しました。
亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
能登半島は、地震による隆起を繰り返して形成された地域です。我が磐梯町の象徴である磐梯山も活火山であり、災害のリスクを抱えつつも、豊かな自然と名水をもたらしてくれます。この磐梯山の恵みを通じて、美味しいお米や農産物が地元農家の手で生産され、私たちの生活を支えています。
能登半島地震は、東日本大震災を経験した私たちにとっても、自然との共生の難しさを改めて考えさせる出来事でした。
一方で、私たち人間も自然の一部であり、自然の循環の中で生きることの大切さを再認識する機会にもなりました。
こうした背景の中、磐梯町は昨年10月、「ネイチャーポジティブ宣言」を行いました。
磐梯山がもたらす恵みは自然界の循環システムの中にあり、それを支えるのは「生物多様性」です。この考え方を町民の皆さまと共有し、実践していきたいと考えています。
自然界では廃棄物が存在せず、すべてが循環しています。
しかし、人間社会では大量の廃棄物が発生し、会津地方広域圏内においてもゴミ問題が深刻な課題となっています。
今年は、この問題に具体的な成果を出す年にしたいと考えています。
一方で、世界情勢に目を向けると、ウクライナや中東の紛争、欧州やアジアでの政治的不安定など、混沌とした状況が続いています。
このような激動の時代において、日本では人口減少と高齢化が急速に進行しております。
昨年に人口戦略会議が公表した消滅可能性自治体は744であり、会津地方17市町村のうち磐梯町を含めた4つを除く13市町村が2050年までに20歳代から30歳代の女性が半減し、最終的には消滅する可能性があると公表しました。
しかしながら、磐梯町も例外ではありません。2050年には町の人口が約4割減少するとの予測もあります。
このような課題を乗り越え、持続可能な町を目指すためには「イノベーション」が不可欠です。
形骸化した仕組みから脱却し、住民と行政が協力して新しい自治の形をつくる必要があります。その一環として、「磐梯町町民の幸せプロジェクト」を立ち上げ、令和7年度から具体的な取り組みを開始します。
プロジェクトでは「幸せの再デザイン」「まちづくりの再デザイン」「行政経営の再デザイン」「働き方の再デザイン」の4つの柱を掲げ、前例にとらわれない挑戦を進めていきます。また、組織の見直しを進め、迅速かつ効率的な行政運営を目指します。
多様な価値観を取り入れることで新たな可能性が生まれます。外部人材の登用や「磐梯町モデル」の構築、そして多様性と包摂性があたりまえにある世界を磐梯町の子どもと大人でつくることを通じて、全国に発信できる町づくりを進めてまいります。
特に、少子高齢化による人口減少対策は喫緊の課題です。「魅力あるまちづくり」を実現するため、人口4000人を目指し、住環境の整備や医療・福祉・教育・子育て支援、企業誘致など、多岐にわたる施策に全力で取り組みます。
町民の皆さまと共に議論を重ね、協働で未来を創る町づくりを進めてまいります。
結びに、磐梯町のさらなる発展と、町民の皆さまにとって本年が素晴らしい一年となることを心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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