小鳥の森が開園40周年を迎えました。
小鳥の森は、野鳥など多様な生物が生息する自然豊かな森。ボランティアや地元関係者などに支えられ、市民の憩いの場、子どもたちの環境学習の場として親しまれてきました。
市街地のすぐ近くなので、小鳥が街にやってきて、心を和ませてくれることもあります。福島市ならではですね。
小鳥の森は、自治体設立のサンクチュアリ(野鳥など生物多様性を保全する自然系施設)としては全国第一号の先導的な施設です。昭和天皇やお若い頃の天皇陛下も訪れました。
今後も、誇りをもって、小鳥の森を守り育てていきたいと思います。
一方、市街地では、カラスやムクドリがすみつき、大きな被害が生じています。
一昨年来、専門家の指導のもと、被害防止対策を実施してきました。ムクドリには一定の効果が見られましたが、カラスには難しく、昨冬はカラスの大群によるふん害が街なかの大きな問題となりました。
調べてみると、冬場の大群は、ミヤマガラスという大陸からの渡り鳥で、11月から3月にかけて飛来するとのこと。環境変化で、西日本だけでなく東日本にも飛来するようになったようです。大群を形成する習性があり、市街地をねぐらにすることもあります。
他方、生ごみ荒らしをするのは、在来種のカラス。餌に恵まれ、こちらも増えているようです。
カラスが飛来する冬場を前に、商店街や大学、企業、国、県などと連携して、対策を強化します。樹木の伐採や歩道の清掃などのほか、「だまくらカラス」という装置でカラスを不安にさせる音を出して、追い払います。カラスの鳴き声のような音に驚かないようご注意ください。
在来種対策としては、被害のひどいごみ集積所にボックス型ごみネットを配置し、効果を検証します。
「カラスの楽園」とならないよう、市民の皆さんのご協力をいただきながら、餌を減らし、街をきれいにしていきたいと思います。童謡「七つの子」のごとく、のどかな気持ちでカラスを眺められるよう、カラスとの共生を図っていきたいものです。
福島市長 木幡 浩(こはた ひろし)
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