■第76回「犯罪に巻き込まれないために」
市内における近年の犯罪件数は概ね横ばいですが、実感する治安の良さ、いわゆる体感治安は悪化しているように感じます。
影の指示役のもと、流動的に実行メンバーが集められて、特殊詐欺や強盗・窃盗などを行う「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)の事件が相次いでいます。犯罪歴のない若者がバイト感覚(闇バイト)で犯罪に手を染め、暴力を振るい、時には殺人まで犯してしまうことには、戦慄すら覚えます。
ネットでは、詐欺につながるメールが大量に送られ、SNSには投資詐欺やロマンス詐欺を仕掛ける投稿が野放しにされ、ネットを利用しない人には電話で接触してきます。こどもたちを狙った不審者も後を絶ちません。犯罪につながる地雷がいたるところに仕掛けられているのです。
では、どうやって身を守ればいいのか?何よりも用心を欠かさないこと。容易に家の中に入られないよう、玄関などには常に鍵をかけましょう。不審な人や車を見つけたら、警察などに連絡を。
家や地域の要所に監視カメラを設置するのも有効です。それだけで強い抑止力になりますし、犯人検挙にもつながります。福島市では、7月中旬から道路などのグレーチング(鋼製蓋)が約250枚も盗まれましたが、犯人検挙の手掛かりになったのは監視カメラに映った不審車の映像でした。地域での設置には、今年度、県警において補助が創設されましたので、ご活用ください(今年度の募集は終了しています)。
メールでは、送信元のアドレスを確認して、クリックを求める誘導に安易に乗らないこと。メールでも電話でも、振込みやカード、暗証番号を要求されたら、疑ってみて、身近な人や警察などに相談してみることです。犯罪者は、親心や人恋しい気持ち、生活苦での救いを求める気持ちなどに巧みに付け込んできます。うまい話には必ず落とし穴がある、との認識でご注意ください。
一方で、知らぬ間に自分が犯罪者に加担してしまう場合もあります。身分を証明するものを売却するようなことはしませんように。
11月から、「自転車」の運転中のながらスマホ、酒気帯び運転とそれを促すような行為は、罰則の対象になりました。「違反」に止まらず、あなたも「犯罪者」の仲間入りをしてしまいます。年末年始、特にご注意ください。
福島市長 木幡 浩(こはたひろし)
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