■第72回「高め合うライバル」
7月7日、納豆ウィークのオープニングに「納豆の妖精」ねば~る君が登場。納豆購入額日本一を競い合う水戸市がある茨城県からの出演でしたが、福島市民の納豆好きをビヨ~ンと高めるようなエール。ともに納豆文化を盛り上げていこうという友情にあふれていました。
いよいよ本格的な桃の季節。私も含め福島市民は、福島の桃こそNO.1と誇りにしていますが、生産額トップの山梨、ブランド力抜群の岡山など、ライバルは強者ばかり。しかし、本市が弱い市場へのアプローチ方法やブランド化について、ライバルたちから助言をもらってきました。ライバルはともに桃産地振興に向けて高め合う仲間なのです。
都市としてのライバルは、やはり郡山市でしょう。郡山市は、安積開拓以降、県内交通の要衝という優位性もあって急速に成長し、人口は本市を上回り、経済県都と称される経済力を有するに至りました。これまでに二度、郡山市への県都移転の大きな動きもありました。近年は本市から郡山市に事業所等の移転・統合が、最近では大会等の流出が見られる状況です。
一方本市は、幕末から生糸の一大生産・集積地であり、経済力豊かで、県都になり、東北初の日銀出張所も開設されました。市制施行も17年早かったのですが、その後の成長は相対的に緩やか。豊かであったがゆえに守りに入っていたのかもしれません。しかし、人がよく、おっとり気質と言われる本市ですが、郡山市との関係では、「負けたくない」と語る市民の何と多いことか!
ならばこそ官も民も、危機感をもって、主体的かつ積極的に自らの成長につながる実践をしていきましょう。勝ち負けより自らの個性を磨きながら、新時代にふさわしい先導的取り組みと広域的に効果が波及する取り組みを進め、「県都としての責務」を果たす必要があります。
一方、いわき市も含めて県内3中核市には、ごみ問題をはじめ多くの共通課題があります。協力し合って課題解決と底上げを図り、県全体を牽引することも重要です。
どの分野においても、ライバルの存在はありがたいこと。互いに高め合いながら切磋琢磨し、そして勝ち負けにとらわれないオンリーワンの個性と誇りをつくっていきたいものです。
福島市長 木幡 浩(こはたひろし)
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