■持続可能なストーリー
“思い”と“快適”を両立する性能向上リノベーション 株式会社 増子建築工業
◇令和4年度 第4回「こおりやまSDGsアワード」一般部門受賞
思い出のつまった家を快適に過ごせるようリノベーションし、世代を越えて住み継ぐ家づくりに取り組む(株)増子建築工業。代表取締役の増子則博さんに、活動への思いを伺いました。
◇活動のきっかけは?
東日本大震災で避難してきた方の家づくりを担当した際、以前の家の写真を見て家族の思い出を涙ながらに語る方がいました。その姿を見て、住み馴れた「思い」のある家でいつまでも過ごせるなら、それがベストだと思うようになりました。そこからリノベーションについての勉強を始めていきました。
◇どのような活動ですか?
家族が何世代にも渡って、住み慣れた家で快適に暮らせるよう、家全体を再設計する「性能向上リノベーション」に取り組んでいます。この工法では、建物の再利用できる部分を最大限に生かすので、大幅に廃棄物を減らせます。また、必要な木材は県産の木材を選び、地域経済の循環にもつなげます。特に喜ばれるのは、断熱性能の向上です。「ガンガン暖房を使っても寒い」と嘆かれる方も多いので、断熱改修は必須ですね。省エネで環境に優しいだけでなく、暖かく快適に過ごすことができます。さらに、耐震診断士もいるので、耐震性の高い家を造り、思い出のある家を災害から守ります。
◇やりがいは?
両親と子どもと3世代で住むために実家をリノベーションしたお客様から、「家族をつないでくれてありがとう」と言われた時はうれしかったですね。親の思いや自分たちのこだわりなど、家だけでなく本音を尊重し合える関係もつくれました。最近では、この取り組みの講演依頼を受けたり、郡山女子大学の建築デザイン専攻の授業で話したり、活動の幅が広がっています。新しい出会いや刺激もあり、ありがたいですね。
◇今後は?
性能向上リノベーションは、まだ住まいを選ぶ時の一般的な選択肢ではありませんが、この取り組みはSDGsそのものです。私たちの経験や実績を業界内で共有し、その担い手を増やすことで、持続可能な環境づくりに貢献していきたいです。
問合せ:同社
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