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【特集】自然にやさしいレジャーをしよう 猪苗代湖に恩返し(2)

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福島県郡山市

■日本大学名誉教授、NPO法人 輝く猪苗代湖をつくる県民会議
名誉顧問 中村 玄正(みちまさ)さん

水環境工学などの専門家であり、長年猪苗代湖の水質研究に取り組んできた中村さん。猪苗代湖の水質変化の原因などを伺いました。

◇私たちの行動も湖に影響している
猪苗代湖の水質が変化してきた原因にはさまざまなことが考えられますが、私たちの行動も関係がないとは言えません。
猪苗代湖は元々、湖に流入する河川などが強酸性だったので、水質も自然に浄化されてきました。しかし、今では流入する酸化物質の減少で中性化が進み、水生植物のヒシやヨシなどが大量繁茂し、枯れて水中で腐敗や溶解などをした結果、濁りが増えてきました。
水生植物は私たちの生活排水でも成長します。調理くずや食べ残し、生活排水を流すといった私たちの行動が、猪苗代湖を汚してしまうことを一人でも多くの人に知ってほしいです。

◇猪苗代湖を日本一の湖にしたい
私は毎年秋に、多くの団体やボランティアの人たちと協力し、枯れる前の水草を回収するクリーン活動をしています。一方で、夏には湖南小・中学校の子どもたちに、水質調査の実験やフィールドワークを通し、猪苗代湖の今を伝えることにも取り組んでいます。
透き通った水に魅了された出会いから時が経ち、気付けば今ではその水を守る立場に。いつか猪苗代湖が、景観の素晴らしさや多様な生物が育つ環境などから、水質だけでなく、総合的な「日本一の湖」と呼ばれるよう、その魅力を次世代につないでいきたいですね。

■水と緑を守る舟津川愛護会
会長 吉井 孝征(たかゆき)さん

舟津川河川敷の草刈りや湖畔の清掃などに20年以上取り組んでいる吉井さん。地元から見た猪苗代湖への思いなどを伺いました。

◇工夫しながら魅力を伝える
なんといっても訪れた人が湖を見て、きれいだなと感じてもらえると、頑張って清掃してきた甲斐もありますし、今後の活動にも力が入りますね。
反対に、毎年レジャーで使ったごみを片付けないで帰る人もいるので困っています。中には道中の草むらに隠してごみを捨てていく人もいるんですよ。
そこで昨年の秋には新たな取り組みにも挑戦しようと、舟津川の河川敷で、ゼロ・ウェイスト(ごみをゼロに)をコンセプトとしたキャンプイベントを開きました。参加者には焚き火で出た炭を残さず持ち帰ってもらい、持参してもらった食器に食べ物などを振る舞いました。すると参加者からは、「ごみがないと景色ももっときれいに見えて気持ちがいいね」「使い捨ての容器代もかからないし、これからもキャンプのときは食器を持っていこうかな」などの声をもらい、企画は大成功。今年も開催したいと思います。

◇愛する場所だから率先して守っていきたい
これからも生まれ育ったふるさとがたくさんの人に愛されるように、活動を続けていきます。地元の環境を良くするためには、「まず自分が率先してやってみること」が大事ですね。それを見て協力してくれる人が一人でも増えてくれたら、とてもうれしいです。

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