文字サイズ
自治体の皆さまへ

〔特集2〕〜人生会議で、生き生き〜 わたしの望む未来を大切な人と

16/41

福島県郡山市

人生100年時代、元気に自分らしく過ごすために、望む医療や介護を前もって話し合う「人生会議」という取り組みが広がっています。家族やかかりつけの先生などとおしゃべりしながら、素直な気持ちを身近な人に伝えるヒントを探してみませんか。

〔1〕郡山市の高齢化の現状
市では、高齢者の一人暮らしや高齢者だけの世帯が年々増加し、5世帯に1世帯が高齢者だけで生活しています。今は健康でも、急な病気やけがなど、もしもの場合はいつ来るか分かりません。命が危険な状態では、7割の方が自分の望む医療や介護を伝えることができなくなると言われています。事前に信頼できる人と話し合っておくことが大切です。

高齢者(65歳以上)のいる世帯の状況

〔2〕話すことで、安心できる
もしものときのために、望む医療やケアを家族や医師、社会福祉士などの専門職と話す「人生会議」をご存じですか。会議というと固い印象ですが、一言で言えば「大切にしていることを信頼できる人へ話すこと」。素直な思いを伝えると自分も相手も安心でき、今を大切にする気持ちが高まります。

■人生会議の進め方
(1)自分が大切にしていることを考える

(2)信頼できる人は誰かを考える

(3)医師やケアしてくれる支援者と健康状態を話し合う(確認する)

(4)話し合いの結果を大切な人に伝えて共有する

(1)へ
このサイクルを繰り返す

■人生会議のポイント
・気楽に話してみましょう
状況に合わせて、好きな事から話してみましょう。健康な人が、最期にどんな治療を望むかなんてピンと来ません。これまでの人生を武勇伝のように発表するなど、面白おかしく向き合うのがコツです。まず話してみることで、スッキリしたり別のことも話したくなったりすることが大事です。

・伝えやすい関係を大切に!
在宅訪問診療の患者さんで、ご家族と一緒に治療方針を決めた方がいましたが、状況によって気持ちや望む治療が変わりました。対話では、決めることより本人や家族の気持ちを受け入れることを尊重しています。気持ちが変わっても、伝えやすい関係があれば、自分らしさを最後まで大切にすることができます。
郡山医師会 副会長 福井 謙 医師

〔3〕自分と向き合う時に便利な「わたしの未来ノート」
市では、人生会議で活用できる「わたしの未来ノート」を作成しました。市内の医療・福祉・介護など、多方面の現場で働く専門職が1年以上意見を出し合い完成させました。この一冊があれば、人生を振り返りつつ未来のことを考えたり、大切な人に、病気にかかった時や終末期医療の希望などを伝えたりすることに役立ちます。
このノートは、地域包括支援センターや医療機関、介護施設で医療・介護関係者を通して配布するほか、市ウェブサイトからダウンロードができます。

ノートの書き方:
・自分の状況に合わせて、書きやすいところから気軽に始める
・家族や大切な人と相談しながら書く
・記入日や一緒に書いた人の名前も書き、定期的に振り返る
ノートの活用例:
・自分の思いや考えと向き合ってみる
・その思いを大切な人と一緒に考えてみる(かかりつけの先生やケアチームの支援者など)
・万一に備え、自分が望む医療やケアを記しておく(私の希望表明書/事前指示書)
内容例:
『わたしについて』
・趣味、サークル
・長所・短所
・好きなもの・言葉
・今までの歩み
・伝えたいこと
・健康状態
『大切な人たちへ』
・ペットのこと(名前、健康状態、エサなど)
・渡したいもの、処分してほしいもの
・感謝のメッセージなど
『もしものときは』
・大切にしたいこと
・病気の告知方法など
・介護・看護の希望
・自分の気持ちを伝えられなくなった時に望む治療やケア

■自分らしい生活は、娘の一言から
元々、自分のことをあまり話さない性格でした。でも、病気で介護が必要になった時、離れて住む娘から「自分の体のこと、周りに気軽に話してみたら。できることは頑張って、できないことは頼っていいんだよ」と言われたんです。おかげで、今ではかかりつけの先生や地域包括支援センターの方、ご近所の方にも何でも話せるようになり、気が楽になりました。皆さんの理解とサポートがあり、安心して暮らせています。
住み慣れたこの場所で、私を支えてくれている方々へ、元気な顔を見せてお話しすることが今私に出来る感謝の伝え方です。
趣味の絵手紙もできる今の暮らしが好きですが、今後体の状況が変わっても、家族や信頼できる人と話し合いながら、医療や介護について考えていきたいですね。
市内在住 Mさん

■「人生会議」講座のご案内
◇人生会議(ACP)講座「エンディングノートを書いてみよう」

対象:市内在住の高齢者やご家族
定員:各20人 ※予約制

◇市政きらめき出前講座「地域包括ケアシステムってなあに?~もしものときのために、ACP(人生会議)~」
対象:市内在住、在勤または在学するおおむね10人以上の団体
※ご希望の場所・時間に伺います。

〔共通〕
問合せ・申込み:地域包括ケア推進課
【電話】924-3561

*******
問合せ:地域包括ケア推進課
【電話】924-3561

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU