■十一月
郡山市制施行100周年記念式典が今月二日と三日に開催されます。皆様には年始めからさまざまな100周年記念事業を企画、参加いただき、御礼申し上げます。現在の私たちが100年間の歴史を閲(けみ)し、先人に敬意を表するように、100年後の市民の皆様にも「よくやったない」と言っていただけるよう、価値ある足跡、事跡を残し、記録に留めましょう。
現在、整備を進めている「郡山市歴史情報博物館」も工事が順調に進み、過日、館内を視察いたしました。まだ何も収蔵・展示はされておりませんでしたが、「ここは先人の御尽力に敬意と感謝を表し、歴史や文化遺産を後世に伝えるべき空間」と、思わず緊張いたしました。この歴史情報博物館の建設に至った経緯を、私事に及ぶことをお許しいただきながら申し上げます。
市長を仰せつかる前に、歴史資料館(現在は解体済み)を見学する機会があり、そこで郡山が太平洋戦争中に米軍の爆撃を受けたことを知りました。郡山で小・中学生時代を過ごし、郡山駅前に平和の女神像があったことは記憶していましたが、当時は学校の授業はもとより、家族、知人、友人からも郡山空襲があった事実を耳にしたことは全くありませんでした。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とはビスマルクの言葉ですが、郡山が今日に至るまでにいかなる経緯を辿ったかを知ることは、今後の郡山の課題を検証し、解決策を見出すためには不可欠の作業です。歴史情報博物館はその一助となることが大いに期待されております。既に施設の意義を評価し、家宝と言っても過言ではない資料を寄贈くださる方もおられます。篤志(とくし)を待望いたしております。
郡山市長 品川 萬里
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