■篠原 祐太郎さん Shinohara Yutaro
安全安心でおいしい食材にこだわり、飲食店や販売のほかイベント運営なども手掛ける篠原さん。活動への思いを伺いました。
◇食の営業マンとして福島のファンを増やしたい
飲食店で働いていた20代半ばの時、東日本大震災が発生。飲食業は大打撃を受け、このまま続けるべきか悩んでいた頃に、県内産のあるお酒に出会いました。そのおいしさに驚き感動したと同時に、こんなにおいしいものがある福島の良さをみんなに知ってほしい、そして福島を好きになってくれる人を一人でも増やしたいと思うようになりました。
そこで2014年、「福島を丸ごと味わえる」をコンセプトに居酒屋を開業。生産現場に行き、自分の目で見て生産者と話して選んだおいしい食材、調味料、お酒を提供しています。ここでしか味わえない食を通じて、お客さまが福島に興味を持ち、「福島っていいところだな」と思ってもらえたらうれしいですね。
2018年には県内の生産者や飲食店、酒蔵が集う「ふくしまフードフェス」を開催。2021年には食材などの小売店も始めました。形は違いますが、私の役割は共通して「つなぐ」こと。生産者たちをつなぎ切磋琢磨し合うことで、より良いものができる。私はそれを適正な価格で販売し、消費者においしさと健康を届ける。食の営業マンのようなものです。
ある時、店で小さな男の子が苦手なキュウリを食べて「おいしい!」と言ってくれたことがありました。人を笑顔にする食の力を感じましたし、食べる人と作る人のつながりが生まれたようで、やっていて良かったと思いましたね。
最近は生産者と一緒に、SNSでの情報発信にも力を入れています。福島の食の魅力や取り組みを多くの人に伝え、もっと福島のファンを増やしていきたいです。
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