■十二月
「王将」をつい口ずさむ月になりました。本年は市制施行100周年を皆様とお祝いし、思いをさまざまに閲(けみ)する年でありましたが、心中ではシューベルトの交響曲第7番「未完成」を度々想起しておりました。永遠の都ローマの顰(ひそみ)に倣(なら)うのもなんですが、完成=終わり、ではなく、常に未完成を自覚する万年青年都市郡山を目指して事を進めるのも、少子化日本、そして郡山の下では必要との思いに至っております。
11月2日に開催された市制施行100周年記念式典では、約1200名の皆様に御来場いただきました。728名・80団体の皆様への表彰に続き、市内小中学生150名の皆様により、未来のこおりやまに向けた提言を発表いただきました。将来の郡山、日本についてよく考えられた見事な発表で、御見識の中には「来年の予算案に盛り込むか」と思わずつぶやかされる名案もありました。来年度の予算案に御注目いただけるよう努力いたします。
翌3日は音楽祭が開催されました。午前の部は佐藤守廣先生の指揮の下、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」より第4楽章が世代を超えた市民の皆様の声に乗せて演奏されました。午後の部は本名徹次マエストロの指揮の下、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」より第1楽章、「あれが阿多多羅山(あだたらやま)」(名誉市民の故・湯浅譲二先生作曲)、そして1924年に完成されたレスピーギの交響詩「ローマの松」が演奏されました。いずれも環境時代にふさわしい選曲と拝聴いたしました。
いよいよ2024年も残りわずかとなりました。交響曲第9番第4楽章の第一主題「歓喜の歌」にのせ、郡山市制施行101年目を大いなる希望を持って迎えましょう。
郡山市長 品川 萬里
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