■馬場 大治さん Baba Daichi
デジタル技術とクリエイティブな発想でさまざまな支援を行う(株)concept-village(コンセプトヴィレッジ)代表の馬場さんに、活動への思いを伺いました。
◇デジタル技術で地域発展の手助けを
田村町の実家が花や野菜の農家で、子どもの頃は朝市などで祖父母の手伝いをしていました。500円の花を高いと言うお客さんに、手間を掛けて育てていることを伝えると、喜んで買っていただいた経験から、広告の大切さに気付きました。
大学を卒業後、東京の広告代理店に就職しましたが、東日本大震災を機に1人で(株)concept-villageを立ち上げました。農家の方と地道にコミュニケーションを取ることから始め、数カ月後の桃のシーズンにお中元のチラシを頼まれ、反響があり売れたときはうれしかったです。
さらに、農家への直接的な支援として(株)cv digital(シーブイ デジタル)を設立。ある農家の方の「10年で収穫できるのはたった10回」という言葉から、みんなの経験をシェアできれば農業に参入するハードルが低くなると考え、AIチャットで相談できる「IPPUKU(イップク)」を開発しました。相談内容を、生産、経営などジャンル別に分けたことで、経験の浅い農家からベテラン農家まで、幅広く利用いただいています。こおりやまDX大賞2023最優秀賞も受賞できました。
震災でゼロから再出発した福島の農業は、この10年で驚くほど進化しています。農業は知れば知るほど自然と向き合い、知恵や想像力を必要とするクリエイティブな仕事だと思います。今後は農家の方との関わりをより深め、総合的な支援をしていくつもりです。
最近では農業だけでなく、企業や自治体からの仕事の依頼も増えてきました。私たちのデジタル技術で、郡山の経済や地域の発展の手助けができるように、取り組みを進めていきたいです。
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