■佐藤 孝洋さん Sato Takahiro
6月に堂前町で、市内初のクラフトビール工場をオープンした合同会社ピロノ代表の佐藤さん。今後の夢などを伺いました。
◇100年先も愛される地ビールを
学生時代から過ごしてきた郡山には、関わってきた人たちや街並みの思い出が詰まっていて、愛着がありました。そんな郡山のために何か自分にできることはないか。そう思い始めたおよそ10年前、小規模醸造所で造られる地ビール“クラフトビール”と出会いました。職人の自由な感性から生まれるクラフトビールは、どれも味が異なり個性的。自分で造ったビールを郡山で振る舞うと決めた私は、国内外の醸造所を訪ね歩きました。
一番感銘を受けたのは、イギリス人が営む長野県の醸造所でビールを飲んだ時。今まで出会ったことのない芳醇な味に、一口飲んだだけで職人のこだわりを感じました。そこで4年半かけて醸造技術を学んだ後は、県内に戻り、かつて酒の販売倉庫だった堂前町の蔵を借り受け、改修。6月にクラフトビール醸造・販売店舗「PIRONO BEER」をオープンしました。
飲食店舗も併設し、出来立てのクラフトビールを数種類販売するほか、ソフトドリンクや地元産野菜を使ったフードなども提供しています。今後は、県内農家の協力を得ながら、モルトやホップなどのビール主原料も自分で手掛け、地産地消のビールを造る予定です。
店を始めて間もないですが、仕事帰りや散歩がてら寄ってくれるご近所の方も増えてきてうれしいです。ゆくゆくは、100年後もこの場所でビール造りが行われているような、地元に愛されるビールを造っていくことが私の夢です。これからも、誰でも気軽に立ち寄れて、日常的に味わえる、地域の人たちに寄り添ったビールを造っていきたいですね。
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