■髙橋 慶香さん Takahashi Chika
「作業療法士×福祉ネイリスト」としてお年寄りの方などへ訪問ネイルを行う髙橋さん。活動への思いなどを伺いました。
◇お年寄りの方や障がいのある方の“その人らしさ”を支えたい
子どもの頃から、たくさんかわいがってくれた祖母が大好きで、人に寄り添う仕事がしたいと思っていました。そこで、けがや心の病などで食事や入浴などの動作が難しくなった方を支える作業療法士となり、地元栃木のクリニックなどで勤務していました。その後、結婚を機に福島県に移住し、出産も経験。改めて自分がこの先何をやりたいのか見つめ直していた時、ふと思い出したのは、以前の職場でネイルをしてもらい喜んでいたおばあちゃんの笑顔でした。私もお年寄りの方が明るくなれる寄り添い方をしたいと、福祉ネイリストの資格を取りました。
4年前に郡山へ来てからは、個人宅や施設などで、作業療法と福祉ネイルを掛け合わせた訪問ネイルをしています。ネイルの施術中は、特にコミュニケーションを大切にしています。施術を重ねるうちに、塞ぎ込みがちだった方がポジティブに話したり明るい色を選んだりと、前向きになっていく姿を見た時はとてもうれしかったです。最近はネイルに加え、お化粧やヘアメイクもして素敵な瞬間を写真に残す美容フォトのサービスもしています。ご家族が出来上がった写真に喜んでいる姿を見ると、心が温まりますね。
ネイルなどの“美容”は、生きる上で絶対必要なものではないかもしれません。でも、きれいな爪を見て笑顔になれたり、生きがいになったりもすると思うんです。ネイルが自分を好きになるきっかけになり、体が不自由なことなども含めて「今の自分でいいんだ」と前向きになれる。そんな“その人らしさ”を引き出すお手伝いを、これからもしていきたいです。
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