健康で自分らしい生活が送れるように、健康寿命を延ばすための取り組みを進めています。今回は、健康寿命への影響が大きい生活習慣病の予防に関する取り組みを紹介します。
◆人生100年時代に向けて
令和4年の市の平均余命(※1)は、男性が80・3歳、女性が86・4歳です。平均自立期間(※2)は、男性が78・7歳、女性は83・1歳で、どちらも県や国よりも短くなっています。
人生100年時代を、健康に自立して生きるためには、年1回健康診査で体をチェックし、生活習慣病などの重症化を予防することがとても大切です。
◆肥満や高血圧が重症化リスクに
特定健康診査(40~75歳未満)や後期高齢者健康診査(75歳以上)の結果から、須賀川市は、県や国に比べて肥満や高血圧の人の割合が多く、メタボリックシンドローム(※3)に該当する人(下の図のとおり)も年々増加しています。
肥満や過剰な塩分摂取などは血圧を上げる大きな原因となり、高血圧が重症化することで脳卒中や心筋梗塞など大きな病気につながりやすくなります。
また、男女ともに心疾患や脳血管疾患による死亡率が国よりも高く、中でも男性の急性心筋梗塞は2~3倍と著しく高くなっています。
◆早目の取り組みが大切
医療費の中で生活習慣病に関連が高い医療費が約5割を占めています。生活習慣病の悪化に伴う治療の長期化や薬剤の増加などにより、重症化するほど医療費も増えてしまいます。
若い年代からの生活習慣病の予防が、高齢期の自立した生活の維持や医療費抑制につながります。
◆市で実施している事業
市では、生活習慣病予防教室、健康に関する講演会やイベント、減塩の学習会などを開催しています。
なお、特定健康診査を受診した人のうち、腹囲や血圧などの値が基準値を超えている人を対象に、メタボリックシンドロームの予防と改善のための特定保健指導を行っています。保健師や管理栄養士と生活習慣の改善に向けた行動目標・行動計画を立て、食事や運動などの学習を行います。
また、後期高齢者健康診査を受診した人の中で、口腔機能や栄養状態が低下している人を対象に、保健師などの医療専門職が訪問し、個別相談を行っています。
そのほか、健康に関する悩みがある人は、健康づくり課にご相談ください。
≪用語の解説≫
※1 平均余命…0歳時点での平均余命
※2 平均自立期間…日常生活が自立し要介護2未満の状態
※3 メタボリックシンドローム…内臓脂肪型肥満に高血圧や脂質異常、高血糖などが重なって、動脈硬化を起こしやすくなっている状態
◆生活習慣を見直して健康に
矢部医院の矢部医師にお話を聞きました
Q1.生活習慣病とはどんな病気ですか?
生活習慣病は、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が原因で発症や進行する病気の総称です。生活習慣病である高血圧症、糖尿病、脂質異常症などが悪化することで、重大な病気である心臓病や脳卒中などにつながることがあります。これらの病気は、死亡リスクが高くなるだけでなく、寝たきりや介護などのリスクも高めます。
Q2.生活習慣病の予防方法を教えてください。
まずは日々の生活習慣を見直すことが重要です。偏った食生活や慢性的な運動不足に加え、喫煙、飲酒、過度なストレスなども生活習慣病の原因となります。具体的には、食事では塩分を控え、バランス良く食べることを意識してください。運動は、今よりも10分多く体を動かす習慣を身に付けましょう。
生活習慣病で治療中の方は、治療を継続するとともに、かかりつけ医などと相談しながら、生活習慣の改善に努めましょう。
Q3.市民の皆さんへアドバイスをお願いします。
生活習慣病は、自覚症状が出る頃にはかなり病気が進行しています。早期に発見できると、生活習慣を見直すことで病気の進行を抑えたり、検査値が改善できたりする場合もあります。気になる症状があれば、気軽にかかりつけ医などに相談してください。
生活習慣病を早期発見するためには、積極的な特定健康診査や特定保健指導の利用をおすすめします。定期通院している方であっても、健康診査で体の状態を確認することが大切です。皆さん、年1回の健康診査で、いつまでも自分らしく健康に過ごしましょう。
矢部医院 院長 医師 矢部順一さん
◆参加者の方にお話を聞きました!
生活習慣病予防のため、運動や食事について学習する「健康チャレンジ教室」を毎年開催しています。
血糖コース(糖尿病)と脂質コース(脂質異常症)があり、理学療法士による適度な運動や管理栄養士によるバランスの取れた食事について学ぶことができます。
「健康チャレンジ教室」に参加してみてどうですか?
-北横田 吉田(よしだ)久子さん
間食のとり方やウオーキングについて管理栄養士や理学療法士からのアドバイスは勉強になりました。
中断していたウオーキングを再開したいと思います。
-吉美根 渡邉 三起子(みきこ)さん
コレステロールや血圧の値を改善したいと思い参加しました。
運動不足解消のため、今回学んだ体操を日々の生活に取り入れてみたいと思います。
→健康づくり課
【電話】88-8123
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