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7月は「社会を明るくする運動」の強調月間 再出発を支え、見守る

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福島県須賀川市

刑期を終えて社会に戻り、再出発しようとする人たちの立ち直りを支え、再び犯罪に陥ることを防ぐ更生保護の取り組みには、様々なボランティアが携わっています。7月の「社会を明るくする運動」の強調月間を前に、今月号では、再犯防止に向けた市の取り組みや、罪を犯した人を支える支援者の活動を紹介します。

◆地域全体での支え合いへ
刑法犯の検挙者数、検挙者中の再犯者数は、全国的に毎年減少しています。一方で、再犯者率は国・県・市ともに、ほぼ横ばいとなっており、再犯の防止・予防が重要な課題となっています。
再犯の原因の一つとして、立ち直ろうとする人が地域で孤立し、必要な支援を受けられず、再び罪を犯してしまうことがあります。犯罪が繰り返されない、新たな被害者を生まない、安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、地域全体で社会復帰に向けて支えていくことが必要です。孤立することなく、再び社会の一員となれるよう、一人ひとりが偏見を持たずに接し、地域で支え合う意識の醸成が大切です。

◆市再犯防止推進計画を策定
市では、罪を犯した人もそうでない人も、お互いを尊重し、地域で支え合うまちづくりを進めていくため、令和6年3月に「誰もが再犯しないこと、再犯におちいらないこと」を目標とする「市再犯防止推進計画」を策定しました。保護司をはじめ、地域住民とともに「チカラ」を合わせて計画を進めていきます。

◆立ち直りを支える人たち
更生保護の取り組みに関わる支援者を紹介します。

▽保護司
民間人としての柔軟性と地域の実情に通じているという特性を生かし、犯罪や非行をした人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたときに、スムーズに社会生活を送れるよう、釈放後の住居や就業先などの生活環境の調整や相談を行うボランティア

▽更生保護女性会
犯罪や非行のない明るい社会の実現のため、地域の親子触れ合い行事や子育て支援活動のほか、非行をした青少年の更生支援活動などにより、青少年の健全な育成を手助けする女性ボランティア団体

▽BBS会(Big Brothers and Sisters Movement(ビッグ ブラザーズ アンド シスターズ ムーブメント)の略)
兄や姉のような身近な存在として青少年と接し、一緒に悩み、学び、楽しむことを通して、健全な成長を手助けする青年ボランティア団体

▽協力雇用主
立ち直りに重要な「働く」「自立する」ことを支援するため、罪を償った人を積極的に雇用し、協力する民間の事業主

◆共生できる社会の実現へ
再出発しようとする人にとって、社会は複雑で生きにくく感じてしまうかもしれません。
そのため、再犯防止と社会復帰に向けた取り組みには、多くの支援者と地域住民の支えが大きな助けになります。一人ひとりが更生保護への理解を深め、お互いを尊重しながら「誰一人取り残さない」共生できる社会の実現を目指しましょう。

◆ともに安全で安心できる社会へ
-須賀川地区保護司会会長の大野修司さんにお話を聞きました-

Q1.保護司を始めたきっかけは何ですか?
中学校のPTA役員を務めていた際、少年補導員も務めていました。そのときに先輩保護司から勧められ、保護司になりました。
現在は保護司を始めてから17年が経ち、県保護司会連合会の会長も務めています。

Q2.活動する中で心掛けていることを教えてください。
相手の気持ちに寄り添って、話を聴くために「待つ」ことです。犯罪や非行をした人は自身の話をしにくいので、私たちは、相手を「待つ」ことが、相手にとって「変わっていく時間」になると考えているからです。

Q3.保護司の活動の中で大変だったことはありますか?
初めて担当を持ったときのことです。その人は「就労先で罪を犯した過去が明るみになったとき、周囲から白い目で見られるのでは」と考え過ぎてしまい、仕事を辞め故郷に帰ってしまいました。そのときに、うまく支援できず悔しい思いをしたことが、今の活動につながっています。

Q4.地域の皆さんへ伝えたいことはありますか?
まずは「犯罪者」という偏見を持たないようにしてほしいです。更生し真面目に生きていこうと努力している人がほとんどで、見守っていると、周囲の風当たりを心配してしまうときがあります。
再犯防止のためには、本人の努力だけでなく私たち保護司や地域の皆さんがそれぞれの立場で理解し、力を合わせていくことが大切です。より多くの人に更生保護の取り組みに関わってもらい、ともに安全で安心できる社会を作り上げていきましょう。

◆更生保護女性会会長へインタビューしました
4年前に更生保護女性会(通称:更女)の会長になりました。その前は保護司の活動もしており、会長に就任したことをきっかけに更女の活動に専念しています。
更女の活動の一つとして、月1回、福島学園を訪問し、学生たちの体操着や靴下などの縫製作業を行ってます。ほかにもクリスマス会や学芸会などに参加し、学生の成長を見守っています。
人によっては「お節介」と思われるかもしれませんが、家族のような身近な存在になれるよう、日々取り組んでいます。年齢の差や、世代ごとの考え方によって接し方も変わってきます。話を聴き、少しずつ歩み寄ることが大切なことです。
うれしいことは、支援した生徒が再び罪を犯すことなく、普通の日常を送れているときです。社会復帰を目指す人たちの支えになれるよう、これからも身近な存在でいたいと思います。
-須賀川地区更生保護女性会 会長 鈴木志津枝(しずえ)さん

●「第74回社会を明るくする運動」7月強調月間オープニングセレモニー
「社会を明るくする運動」は、犯罪や非行の防止と罪を犯した人の更生について理解を深め、力を合わせて安全で安心な地域社会を築くための全国的な運動です。誰もが安心して生き生きと暮らせるよう、この機会に参加してみませんか。
日時:7月1日(月)午後1時30分
場所:tette1階「たいまつホール」
テーマ:「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ

→社会福祉課
【電話】88-8111

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