文字サイズ
自治体の皆さまへ

〔県政特集1〕2025新春座談会(1)

1/15

秋田県

株式会社LibertyGate 代表取締役 菅原 魁人
秋田県知事 佐竹 敬久
株式会社LocalPower 代表取締役社長 寺田 耕也

■秋田から世界へ アイデアと可能性を信じて「まずはやってみる」
秋田発のスタートアップ※1を牽引する若き経営者お二人と、佐竹知事との座談会を行いました。創業の場、挑戦するステージとしての秋田の魅力とその可能性や、変化が急速に進む今「秋田だからこそできること」に着目し、成長を目指す意気込みについて語ります。

▼秋田発スタートアップを牽引する若き経営者たち
知事:毎年恒例の新春特別対談、今年はより一層、新しい世代に秋田を盛り上げてもらおうという期待を込めてお二人にお越しいただきました。
寺田:お招きいただき光栄です。
菅原:身に余る思いです。
知事:私はお二人をよく存じ上げていますが、読者である県民の方々に向けて簡単に自己紹介をお願いします。
寺田:寺田耕也と申します。今年45歳になります。20年ほど前に東京から秋田市へ移住し、2013年に株式会社LocalPowe(rローカルパワー)を設立しました。現在は除菌消臭水iPOSHをはじめとしたプロダクト事業、時間貸し体育館などのシェアリング事業、企業の課題をITで解決するDX事業を三本柱にビジネスを展開しています。
菅原:菅原魁人と申します。私は生まれも育ちも秋田で、秋田大学在学時に介護保険適用外の高齢者支援サービス・アシスタを開始、2020年に法人化しました。社名は株式会社LibertyGate(リバティーゲート)です。主力事業のアシスタは、高齢者の日常における小さな困りごとを登録メンバーが解決するサービスです。

※1 スタートアップ:革新的なアイデアで新たなビジネスモデルを作り出して急拡大を目指していくような企業のこと

▼秋田で見つけた可能性
知事:お二人はどうして秋田で起業しようと思ったのですか?
寺田:人との縁がある秋田で何かしたいという思いがあり、この場所で起業することにデメリットを感じなかったからです。むしろ競合が少ないので新しい試みはすぐに注目してもらえますし、県やメディアも後押ししてくれます。話題が膨大な情報の中にすぐに埋もれてしまう都会よりも、秋田の方が起業するには向いていると思いました。
菅原:秋田には少子高齢化をはじめとした課題が多い分、ビジネスチャンスも大きいはずだと思ったからです。事業には地元で培ったネットワークも生かせますし、そして何より自分は早く事業を始めたかったので、別の場所で一から準備というのは考えられませんでした。
知事:寺田さんはプロダクト事業からスタートしていますが、秋田のマーケットの小ささは気になりませんでしたか?
寺田:私は起業した当初から、秋田はモノを作る場所、マーケットは外に作るものと考えてきました。今はインターネットで世界中とやりとりできますし、また外では秋田の企業というのも意外と売りになるのではと思いました。
知事:マーケットは外に。いい着眼点です。とはいえ売り込みには相当苦労したのでは?
寺田:それがどこに営業に行っても「遠いところからわざわざ」と丁寧に応対してもらえました。それに、県外在住の秋田出身者や秋田にゆかりのある人たちも売り込みに協力してくれました。おかげでマーケットは年を追うごとに広がり、今や弊社製品の9割が県外で売れています。
知事:秋田の人には同胞意識がありますからね。それにしても売り先の9割が県外とは驚きです。菅原さんは学生のときに起業していますが、周りにも起業を志す人はいましたか?
菅原:ほとんどいなかったと思います。起業することを父は応援してくれたのですが、母は不安がっていました。「起業なんて大丈夫?普通に就職活動をしたほうがいいんじゃない?」と。学生の起業は、他県ではどんどん出てきているんですけどね。
知事:そうですか。しかし菅原さんも着眼点が素晴らしい。我々くらいの年齢になると、業者に頼むまでもないようなことだけど自分ではできない、そういうことが日々増えていくんです。今後さらに高齢化が進展する社会で、菅原さんのサービスが求められるシーンは増える一方だと思います。
菅原:高齢者になることに対するネガティブなイメージを、ポジティブに変えていくのが自分の使命だと思っています。今後は高齢者の困りごとを解決するだけでなく、困りごとそのものがなくなる仕組みづくりにも取り組んでいきたいと思っています。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU