担い手の減少や高齢化に伴い、農業現場の労働力不足が深刻化するなか、ロボット、AI、IoT※といった先端技術を活用する「スマート農業」に注目が集まっています。スマート農業により、省力化による生産性の向上、ベテラン農業者がもつノウハウの可視化、緻密な栽培管理などが期待されています。農業大国の秋田県における、スマート農業の普及に向けた取り組みを紹介します。
■スマート農業であんなこと、こんなことができるようになるんです。
たとえばGPS※を活用した自動走行トラクターがあれば、一人で複数のトラクターを走らせたり、夜間に自動走行させたりすることが可能になります。またICT※でベテラン農業者の技術がデータ化されると、新規就農者でも高度な作業ができるようになります。さらにセンサーで光や温度、水などの情報を数値化するセンシング技術を活用すれば、農作物の生育状況を正確に把握することができます。
※AI:人工知能(Artificial Intelligence)
IoT:さまざまなモノがインターネットにつながる仕組み(Internet of Things)
GPS:衛星利用測位システム(Global Positioning System)
ICT:情報通信技術(Information and Communication Technology)
■県立大学ではスマート農業を伝え広げる人材を育成しています
県立大学が社会人向け教育プログラム「スマート農業指導士育成プログラム」を令和4年度より提供開始。プログラム修了生をスマート農業指導士(県立大学独自の認定資格)として認定し、これまでに49名の指導士を輩出しています。
▼Q1 スマート農業指導士とは?
専門の知識や技能を有し、スマート農業を実践しようとする農業者を支援する人材。スマート農業技術をツールとした生産改善、経営改善を提案できるコンサル的なスキルも備えているのが特徴です。農業従事者、農協や県・市町村の職員、農業関連会社の社員、農業科の高校教員など多彩な顔ぶれがスマート農業指導士として輩出されています。
▼Q2 資格取得までに必要な期間は?
資格取得までに必要な期間は約1年(オリエンテーション期間を含む)。受講者はオンラインならびに秋田県立大学アグリイノベーション教育研究センターでの授業や演習を受け、最終課題としてスマート農業普及活動計画を作成します。募集対象は農業従事者、農業関連事業従事者、農業関連団体職員または地方公務員で、毎年3月に県立大学ウェブサイトにて募集要項を公表しています(履修資格・要件あり)。
・育成プログラム
・スマート農業指導士
・農業者
▼農家の経営改善に期待!
スマート農業指導士が県内各地に輩出されることで、農業生産現場におけるサポート体制が充実し、スマート農業技術が導入しやすくなります。スマート化によって農作業の効率化・省力化や、農産物の品質・収量の向上が進み、農業経営の改善が図られることが期待されています。生産現場に技術をつなぐ活動を通して、日本の食料供給を担う本県農業の成長産業化に貢献していきます。
▼スマート農業指導士育成プログラムに関する問い合わせ先
秋田県立大学 研究・地域貢献本部 地域連携・研究推進チーム
【電話】018-872-1557【FAX】018-872-1673【E-mail】aic_koufukin@akita-pu.ac.jp
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