■生涯現役人生の艶(つや)を短歌に詠む
小熊 □□さん(大川)
五城目短歌会会長
旧制中学へ入学後、ある一人の先生に出会ったことがきっかけで短歌を詠み始めたという小熊さん。90歳を迎えられた今でも現役で、県内外における様々な短歌会の会長や指導者を務められています。
過去に5つもの歌集を発表されており、令和元年には5つめの歌集『石を蹴りつつ』を出版。短歌の芸術性向上に尽力してきた功績が評価され、昨年12月に「秋田県芸術文化章」を受章されました。短歌の魅力を、「鉛筆一本で自身の様々な気持ちを表現できること」にあると語る小熊さん。戦後間もなく物がない時代の唯一の楽しみだったそうです。
小熊さんによると、短歌は定年退職後の趣味として始める人が多いそうですが、若い頃から長く続けることで見えてくる世界があると言います。「人から評価される、“うまい歌”を作りたい」と感じていた若かりし頃から時は経ち、今では、「人生のさみしさを和らげてくれる、“よい歌”を作りたい」と作品のスタイルが変化してきたそうです。このような変化は、10年や20年ほどの継続ではなかなか味わえないと語ります。
小熊さんは今後の活動に向けて、「若い人には若い人の、老い人には老い人の艶(つや)がある。この艶のようなものを詠んでいきたい」と話していました。
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