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自治体の皆さまへ

町長日記抄

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秋田県井川町

齋藤多聞

世界的に注目を集めている対話型人工知能(AI)「チャットGPT」について、中央省庁や地方自治体での業務活用が検討され始めている。チャットGPTとは、利用者が何か質問を書き込むと、それに応じた答えを人間のように自然で流暢な文章で返してくれるチャットサービス。インターネット上に存在する大量のデータを学習して回答を作るため、正確性が欠けることも多いが、だいたい何を聞いても答えが返ってくる。例えば「○○のレシピを教えて」と質問すると、材料と作り方を順序立てて回答してくれるし、「朝礼で話す挨拶を作って」と打ち込めば、それなりの挨拶文を瞬時に作成してくれる。質問や指示のやり方を工夫すると、文書作成や修正、翻訳、文章要約、プログラミングの作成等、様々なことに使えるが、質問や指示の出し方が悪いと、うまくいかないこともあり、答えの精度を上げるには、使う側の技術やリテラシーも必要となる。
このチャットGPTを巡っては、地方自治体の対応も様々で、鳥取県では、議会の答弁資料作成や予算編成、政策決定など、意思決定に関わる業務での使用を禁止し、それ以外の業務については検討の上でガイドラインを作成することになった。一方、神奈川県横須賀市では、全国初の試験導入が始まっており、広報の作成や議事録の要約等に使用されるという。本町においては、内部検討も始まっていない段階だが、私が使った実感としては、単純に業務に使うことは危ういが、うまく使えれば業務量が極端に削減できる分野は多分にあると感じている。人口減少が進む中で、行政の業務効率化は重要な課題で、AI活用は避けては通れないはずだが、現状では個人情報や機密情報の扱い、著作権侵害の問題もあるため、メリットとデメリットを認識しながら、どのような利用をしていくのか検討を進めなければならないと思う。
なお、チャットGPTに「自治体がAIを使うメリットとデメリット」を聞いてみたところ、メリットを(1)効率性の向上、(2)正確性の向上、(3)コスト削減とした一方で、デメリットとして(1)倫理的懸念、(2)データ品質の問題、(3)技術的な問題と回答がされた。説明内容は微妙だったものの、項目は大筋あっているのではないだろうか。

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