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自治体の皆さまへ

町長日記抄

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秋田県井川町

齋藤多聞

コロナが5類に移行し、マスク着用も個人の判断となる中、コロナ禍で中止や縮小が続いていた各地のイベントの通常開催、これまで避けられていたテーマパークや定番の観光地への旅行が増えてきて、ようやくコロナ禍前の賑わいを感じるようになってきた。仕事においても、在宅から出社しての勤務が増え、オンライン会議から対面での会議開催、出張の増加等と人が集う場面が明らかに増えてきた。この3年間で様々な変化があったから全てがコロナ禍前に戻ることはあり得ないにしても、人の動きが見えるようになったと実感しているのではないだろうか。
人の動きが多くなったことは喜ばしいが、唯一困っていることは、ホテルの空きが少ないことと料金の高騰だ。特に首都圏のホテルは、曜日や場所によっては、これまでの数倍の値段になっていることも珍しくない上、出張直前でホテルを取ろうと思うと、目的地の近くは満室ということもあり、ホテル探しには苦労が絶えない。昨年10月の全国旅行支援と訪日外国人の入国制限緩和によって、その兆候はあったものの、5月に入り観光、ビジネス共に急激に需要が増えたことが拍車をかけているのだろう。
コロナ禍で需要が落ち込んだ宿泊施設は、稼働率に合わせて清掃、受付、夜勤等の雇用調整をしてきたはずで、急に需要が回復したとしても、それをカバーできるだけの人手を確保できずに、全ての部屋を供給できていないと思う。仮に稼働率が十分でなく、それを補うために値段を高く設定したとしても予約が埋まるのならば、値段を下げる必要はなく、どのように稼働率を上げるかを考えるだろう。完全に需要と供給のバランスが合わなくってしまった。
日本人は、様々なものの値段が上がって苦労しているが、訪日外国人にとっては、円安等で今の日本はセール状態だという。訪日外国人がすでにコロナ禍前の7割程度に回復しているが、これまで爆買いしていた中国人はまだ4%程度でしかない。これが戻ってきたとしたら、当然消費にはつながるかもしれないが、ホテル需要はますます上がってしまい、これまで以上にホテル探しが大変になると要らぬ心配をしてしまう。

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