今回の国保だよりでは、国民健康保険加入者の年間診療費の状況(令和6年度上半期)のほか、ポリファーマシー、セルフメディケーション、リフィル処方箋についてお知らせします。
◆国民健康保険加入者の年間診療費の状況(令和6年度上半期)
[表1]は、1人当たりの毎月の診療費の推移を入院と入院外(外来)に分けて示したものです。入院においては今年度の上半期は、各月で数値のバラつきはありますが、例年よりも高額であった前年より若干低めで推移しております。同様に入院外においても前年よりも低い数値で推移しています。
また、医療費がどのような傷病について費やされているかを示しているのが[表2]となります。その内訳をみてみると、入院については新生物(がんなど)が全体の3割を占める形となっており、それに続いて神経(パーキンソン病など)や循環器(高血圧など)による入院が上位の要因となっております。入院外については新生物のほか内分泌や循環器で多くの医療費が費やされており、内分泌では糖尿病、循環器では高血圧が主な傷病となっています。高血圧も糖尿病も今すぐに症状が出るものではありませんが、高血圧は脳卒中や心臓病の危険性を高め、糖尿病は危険な合併症を引き起こす恐ろしい病気です。
健診などで悪い数値が出ているにも関わらず病院受診をしていない方はいませんか。早め早めの受診を心がけ、健康維持に努めることが大切です。
[表1]
[表2]
新生物:がんなど
内分泌:糖尿病など
循環器:高血圧など
筋骨格:関節症など
神経:パーキンソン病など
精神:統合失調症など
※診療費全体を100%として計算
◆適正な医療受診のポイント
身近なことから医療費を節約することで、国保税の軽減にもつながります。
・むやみな重複受診は控えましょう。
・急病以外は夜間・休日の受診を控えましょう。
・信頼できる「かかりつけ医」を持ち、指示を守りましょう。
・むやみに処方薬剤を希望することは控えましょう。
・定期的に健診を受け、病気の早期発見・早期治療を心がけましょう。
・家族ぐるみで医療へのかかり方を考え、積極的に健康づくりに励みましょう。
◆ポリファーマシーとは
ポリファーマシーとは、多くのくすりを服用しているために、副作用などを起こすことです。単に服用するくすりの数が多いことではありません。
高齢になると、複数の病気を持つ人が増えてきます。病気の数が増え、受診する医療機関が複数になることから、くすりが増える原因となっています。
高齢になると、肝臓や腎臓の働きが弱くなり、くすりを分解したり、体の外に排泄したりするのに時間がかかるようになります。
また、くすりの数が増えると、くすり同士が相互に影響し合うこともあります。そのため、くすりが効きすぎてしまったり、効かなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。
くすりを飲んでいて、次のような症状が気になることはありませんか?
・食欲低下
・ふらつき、めまい
・便秘、おしっこが出にくい
・物忘れ、眠気
・気分がしずむ
くすりが追加されたり、変わったりした後は、特に注意しましょう。
気になる症状があっても、勝手にくすりをやめたり、減らしたりするのはよくありません。くすりによっては、急にやめると病状が悪化したり、思わぬ副作用が出ることがあります。必ず、医師や薬剤師に相談しましょう。
・日頃から、かかりつけの医師や薬剤師を持ち、処方されているくすりの情報を把握してもらっておくのが安心です。
・自分の処方されているくすりがわかるように、お薬手帳を持ちましょう。また、お薬手帳は1冊にまとめておきましょう。
◆セルフメディケーションを心掛けましょう
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」(WHO定義)です。セルフメディケーションには、例えば下記のような効果があります。
・毎日の健康管理の習慣が身につく
・医療や薬の知識が身につく
・疾患により、医療機関で受診する手間と時間が省かれる
・通院が減ることで国民医療費の増加を防ぐ
具体的な方法としては、適度な運動をする、十分な睡眠をとる、バランスのとれた食事を心がける、体調管理(体温・体重・血圧等の測定)、健康診断を受診する、などが挙げられます。
日ごろから健康を意識することによって、健康の維持、生活習慣病の予防や改善、ひいては医療費の節約につながります。
◆リフィル処方箋をご存じですか?
「リフィル処方箋」とは慢性疾患などで症状が安定している患者さんが、医師の適切な判断に基づき最大3回まで同一の処方箋で薬を受け取ることのできる制度のことをいいます。リフィル処方箋のメリットとしては、医師の診察を省くことができるため、通院負担や窓口負担の軽減が挙げられます。
ただし、リフィル処方箋を利用する際には以下の点にご留意ください。
・リフィル処方箋対象外の薬があります。
・医師が「リフィル可」の欄にチェックを入れた処方箋のみ使用できます。
・薬の受け取り期間には期限が定められています。
・リフィル処方箋を交付されていても、気になる症状や体調変化がある場合には医師の診察を受けることができます。
リフィル処方箋の発行には医師の判断が必要です。まずはかかりつけ医へご相談ください。
問合せ:町民生活課 医療保険班
【電話】874-4416 有線4442
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