ここ数年で、キャッシュレス決済の利用が増えてきた。私も基本はキャッシュレスで、財布を持ち歩かなくても、スマホ1台で苦も無く過ごせるし、日常で現金を使う場所や機会はかなり限られるようになった。それでも現金のみの取り扱いといった場所はまだまだ多いし、現金が使えない完全キャッシュレスと言われるとなぜか抵抗感がある。両方使える安心感が欲しいと思うのは私だけだろうか。
今月から、新しい紙幣に切り替わる。どこの国においても、偽札防止のため、一定の期間が経つと新しい偽造防止技術を加えて、新紙幣を作るのが一般的だ。偽札と言われても、映画や小説の世界の話と感じる人も多いのではないだろうか。警察庁の統計資料では、2000年(平成12年)以降の偽札発見枚数は、ピークが平成16年の2万5,858枚で、令和5年は681枚となっている。数字でみると激減しているものの、いまだに偽札が存在している事実がある。紙幣ではないが、私も某大学受験の際、自動販売機から韓国の500ウォン硬貨を加工した偽500円玉が出てきたことがあった。もしかしたらと、暫くの間、注意深くお金を確認していた時期もあったが、それ以来、出会ったことはない。
新紙幣は技術の結晶であり、国の一大プロジェクトとも言える。考えてみれば、国立印刷局にとっても、券売機等の開発をする企業にとっても、技術承継の意味もあるのではないか。仮に長い間、お金が切り替わらなかったら、記録や資料は残っていても、誰もプロジェクトに関わった人がいないということも起こりかねない。偽札防止だけでなく、社会に大きな負担がかかっても、定期的に変えざるを得ない事情も多いのだろうと推察している。
新紙幣の導入による混乱は少ないと思うが、それでも詐欺被害には気をつけなければいけない。なんでそんな手口に引っ掛かるのかと思っていても、詐欺事件が起こっていることを考えれば、お金の切り替えは狙われやすいタイミングと言える。怪しい話だと思ったら、誰かに相談することを忘れずにお願いしたい。
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